惜しかった…。巨人の高卒2年目右腕・直江大輔投手(20)が21日の広島戦(東京ドーム)でプロ初勝利を寸前で逃した。

 4点リードの5回一死から代打・正随にこの日初めての四球、続く大盛に死球を与えて一、二塁。この時点で球数は自身最多の85、イニングも最長を更新していた。勝利投手の権利を得るまで、あとアウト2つ。首脳陣の決断は続投か継投策か…。今季最多1万7193人の観衆が固唾を飲んで見守る中、原監督が交代を告げにゆっくりとベンチを出ると、直江の初勝利を期待したG党からは「あぁ~…」とため息が漏れた。

 2回の打席では一、二塁間を破る打球を放ったが、右翼手・鈴木誠の強肩でライトゴロ。初ヒットもお預けとなった。

 20歳の右腕は降板後「最後の最後で自分の弱いところが出てしまった。そこが悔しい」と唇をかんだ。それでも、片りんは見せた。制球がイマイチだった初回に無死一塁から田中広に高めに浮いた直球を右翼席中段まで運ばれる先制パンチ。しかし、「切り替えて立て直すことができた」の言葉通り、2回以降は徐々に制球を安定させ、スコアボードに「0」を並べた。そんな若武者の奮闘にベンチへ下がる際にはスタンドから万雷の拍手が湧き起こった。