オリックス・中嶋聡監督代行(51)がナインの意識改革に取り組んでいる。19日の西武戦(京セラ)は先発の山崎福が7回1失点の好投を見せ、打線では6回にロドリゲスの適時二塁打など、投打がかみ合って6―3と快勝。2カード連続の勝ち越しをマークし、指揮官は「(山崎福の)内容が素晴らしかった。打線は上位が出て走ってくれるのが理想型。先発を援護できるようになってきたのは非常にいいことと思う」と頬を緩めた。

 杉本、大下の積極起用で新鮮な打線に変わり、フロント関係者も「二軍監督をやっていたから、新しい選手のポテンシャルの見極めがすごい」と感心しきりだが、同時に中嶋流の意識改革も進行中だ。コーチに口うるさく指導させず、何かあれば自らコミュニケーションを取る。自主性を重んじ、考える野球を根付かせる取り組みだ。

 その姿は阪神、オリックスで監督を務めた岡田彰布氏(62)と重なるとの声が出ている。

 岡田氏を知る球団関係者は「全員で試合に入っていく。展開だけでコーチに言われて準備をするのではなく、自分で細かい流れを読んで先に先に準備をする。自分の役割を常に状況に当てはめて考えていくことが大切。それが若い選手にもできたら戦う集団になっていくし、徐々に浸透してる。これは岡田さんがやろうとしていたことで、すごく似ていると思うよ」と話す。

 岡田氏は2004年から阪神監督を務めて5年間で優勝を含むAクラス4回。オリックス監督としては2010年から3年間でAクラスはなかったものの、2011年にはわずか1毛差でCS出場を逃している。そんな百戦錬磨の岡田采配に中嶋監督代行の考え方は酷似しているという。借金20と現状はまだ苦しいが、確実にチームは変化しつつある。