巨人・阿部ヘッド代行 一軍でもブレない「オラーッ!!」の超積極的指導

2020年09月20日 05時15分

一軍でも二軍でも阿部イズムは変わらない

 巨人は19日のDeNA戦(横浜)も1―7で惨敗し、今季4度目の3連敗を喫した。この3試合は計24失点に対して1得点と投打に振るわない中で、阿部慎之助ヘッドコーチ代行(41)は精力的に動き回っている。期間限定の参謀役ながら、原辰徳監督(62)に求められている「慎之助らしさ」とは何なのか? 緊急昇格から4試合を戦い、徐々に見えてきた〝阿部カラー〟とは――。

 どうにもかみ合わない。先発・今村が3回までに3点を先制され、打線も坂本の適時二塁打で27イニングぶりの得点を挙げるのがやっと。追い打ちをかけるように、20日に先発予定だったメルセデスが左ヒジの違和感を訴え、登板回避することが決まった。

 負の連鎖に血が上ったのか…。試合後の原監督は「(代役は)本来は『岩隈』と言いたいところだけど。なかなかホトトギスは鳴かないよ。鳴くまで待ってるんだけど(笑い)。これでいいだろ、今日は」と吐き捨て、入団2年目で一軍登板ゼロのベテラン右腕に飛び火させる始末だった。

 チーム全体にややブレーキがかかっている中、奮闘しているのが阿部ヘッド代行だ。虫垂炎の手術で急きょ現場を離れた元木ヘッドの代わりに16日からベンチ入り。原監督からは「思う存分、慎之助らしさを出しなさい」と求められていた。本人は「らしさが何かよく分からない」と自問自答を続けていたが、その一端は見えてきた。

 代行とはいえ、ヘッドはチーム全体を見渡す立場。選手たちを観察することに重きを置くスタンスも考えられたが、むしろ正反対だ。試合前はノックバットを手に外野へライナー性の打球を乱れ打ち、若手の松原らをシゴきまくる。捕球できなければ「オーイッ!!」「オラーッ!!」と球場全体に野太い声を響かせ、前カードの阪神戦の際は打撃の実演指導で東京ドームのスタンドに軽々とブチ込んだ。

 そしてこの日は自らグラブをはめてノックを受けながら手本を示し、ノッカーの後藤野手総合コーチに帽子を取って一礼。投手陣とは最長60メートル以上の遠投を軽々とこなすなど動きは現役選手さながらで、投手、野手問わず惜しみなく助言を送っている。

 また、ベンチでは厳しさだけでなく、明るさも押し出している。この日も序盤からリードされる展開となったが、険しい表情の原監督の真横で満面の〝慎之助スマイル〟を浮かべる場面も…。指揮官には「笑っていいのは監督と選手だけ。コーチは笑っちゃダメだ」とのオキテもあるが、これもベンチの雰囲気を重苦しくさせない阿部ヘッド代行なりの配慮なのかもしれない。

 二軍監督から代行に就任した際に「僕が来て連敗が始まったとか言われたくない」と苦笑いしていたが、図らずもチームは1勝3敗に…。3試合で1得点の現状に「これを打破するのはやっている選手にしかできない。僕らもどうしたらいいかを考えて、みんなのモチベーションを上げてあげたい」と全面バックアップを約束した。

 超積極的指導は、二軍でも一軍でもブレることはない。ヘッド代行が身を削っているだけに、ナインも奮起して応えたいところだ。