新庄剛志は〝劇薬〟 14年ぶり現役復帰ならロッテ澤村以上のインパクト

2020年09月18日 11時33分

ムードを一瞬で変える男・新庄氏

 巨人から電撃トレードでロッテ入りした澤村拓一投手(32)の復活劇のインパクトが9月の日本球界を席巻した。そのトレード、外国人補強期限が今月30日に迫っている。新型コロナ禍における補強、トレード市場の停滞で今季まとまった戦力の補強、移動件数はここまでわずか5件。残る期間でアッと驚くような補強はまだあるのか。一部の球界関係者からは「空気を変えられるのはあの男しかいない」との声が出ている。

 新型コロナウイルスの影響で12球団の補強戦線は完全に停滞していると言っていい。6月19日に開幕した異例シーズンの中でここまでにまとまったトレードや補強による戦力の移動件数はわずか5件にとどまっている。

 6月25日に巨人・池田駿投手と楽天・ウィーラー内野手のトレードが。そして7月14日、再び両球団の間で高田萌生投手と高梨雄平投手の交換トレードが成立した。

 8月28日には阪神・飯田優也投手とオリックス・小林慶祐投手のトレードがあり、9月6日にヤクルトが元阪神で四国アイランドリーグ香川の歳内宏明投手の獲得を発表した。そして9月7日、巨人とロッテ間で澤村拓一投手と香月一也内野手の電撃トレードが発表された。

 コロナ禍のため渡航中止勧告が継続中の米国、カナダからの外国人補強はその就労ビザが発給されないため件数はゼロ。国内独立リーグからの外国人補強もその第1候補と見られていた前西武のデュアンテ・ヒース投手(BCリーグ富山)が故障のため7月末に退団し、各球団はほぼトレードのみに活路を見いだすしかなかった。

 そんな停滞する補強市場の中で一部の編成関係者が「彼が復帰すればインパクトは澤村以上になるんじゃないか」と注目しているのが、2006年の電撃引退以来、今年になって突如14年ぶりの現役復帰を目指して自らを売り込んでいる元日本ハム・新庄剛志氏(48)の動向だ。

 球界関係者は補強期限が残りわずかとなった中での新庄氏の電撃獲得球団出現について「ここまでないわけだから、常識的に考えてない」としながらも「まだ優勝の可能性が残されているパ・リーグの2位から5位の4球団などが万が一、獲得すればインパクトはあるし、面白いと思う」とし、こう付け加えた。

「13年間、野球から離れていたわけだから打つ方は全然ダメな可能性はある。ただ、あの守備力には人が見てみたいと思わせる魅力があるし、何より一人で球場の空気を変えられるスター性がある。外国人補強がままならない状況の中で、できる限られた補強というのはそういうことなのでは」

 メジャーから突然、日本ハム入りした04年から06年の3年間、新庄氏はその華やかな話題性とチームメートを巻き込んだエンターテインメント性で日本ハムを全国区へと押し上げ、44年ぶりの日本一にも貢献した。

 一方で、マリナーズ・イチロー氏(46=会長付特別補佐兼インストラクター)に匹敵する自慢の強肩と守備力には定評があり、そのワンプレーでファンの目をくぎ付けにしてきた。仲間とともに野球を楽しみ、そのプレーとパフォーマンスでファンをいかに楽しませるか。現場の空気を一瞬で変えることにかけては右に出る者はなく、逆転優勝へあとワンパンチ欲しいV争い中のチームにとっては最強のムードメーカーになり得るわけだ。

 ただ、そんな発想がどこかの球団のフロントにあればの話だが…。

 現在、新庄氏はインドネシア・バリ島から帰国し、オフの12球団合同トライアウト受験に向けて態勢を整えながらトレーニングを継続中。年齢的なことを考えれば残りシーズン2か月限定の短期契約となるだろう。現場に劇薬を注入して空気を変えたいと思う球団にとってはイチかバチかの最終兵器になるかもしれない。