鷹OB・加藤伸一氏 川村さんを悼む「人の悪口や仕事の愚痴を一切言わない男でした」

2020年09月17日 23時44分

川村さん(右)とともにホークスでコーチを務めた加藤氏。中は摂津(2014年)

 ソフトバンクの三軍コンディショニング担当で16日に55歳で急逝した川村隆史さんの訃報には、同い年で本紙評論家の加藤伸一氏もショックを隠せなかった。

 川村さんは1992年にトレーナーとしてダイエー(現ソフトバンク)入り。南海時代の83年ドラフト1位で、主に先発で91年までに43勝を挙げていた加藤氏は、92年に右肩を手術。2年に及んだリハビリで、手術にも立ち会ってくれた川村さんは欠かせない〝パートナー〟でもあった。

「残念ながらダイエー在籍中に完全復活することはできませんでしたが、広島で移籍1年目の1996年に9勝してカムバック賞をいただくことができたのも、最終的に40歳手前まで現役を続けることができたのも、長いリハビリで川村くんが尽力してくれたおかげです。感謝してもしきれないぐらいお世話になりました」

 加藤氏が一目置いていたのは川村さんの熱心な仕事ぶりばかりではなかった。「川村くんは人の悪口や仕事の愚痴を一切言わない男でした。生き馬の目を抜くプロ野球の世界で、これだけ真っすぐな人間を他に見たことがありません。それでいて時にムードメーカーとしてバカになり、チームを明るくしてくれる。コンディショニング担当として一軍から三軍まで経験しているので、お世話になった選手も数えきれないほどいる。コーチとしても二軍、一軍で一緒に仕事をしましたが、気遣い、心遣いが素晴らしい、選手に寄り添えるコーチでした。特に若い選手にとっては兄貴であり、父親的な存在だったのではないでしょうか」

 加藤氏はそう言って天を仰ぎ、合掌した。