不敗神話が止まった。ソフトバンクのエース・千賀滉大投手(27)が15日の日本ハム戦(札幌ドーム)でプロ入り最多の148球を投げ、8回3失点で今季初完投。しかし味方の援護に恵まれず4敗目を喫した。通算7勝0敗と相性の良かった札幌ドームではプロ初黒星。

 前回8日の楽天戦では8回無失点の快投で6勝目を挙げた。エースが勢いをつけた先週のチーム戦績は5勝1敗。得意とする北の大地の舞台で再び白星量産ウイークにすべく「(札幌ドームは)マウンドがすごく高くて投げやすい。今年もいい形で入りたい。先週は先発がすごくいい形で流れた。また今週もいい1週間をつくれるように。先発の役割を果たして、しっかり流れをつくりたい」と意気込んでいた。

「札幌で負けていない千賀」。球場入りの道中にスマホを触る中でこの事実を知ったという工藤監督も「大いに期待を膨らませてやって来ました」と、週頭の勝利を確信していた。

 しかし、打線が相手先発の上沢を攻略できず、試合前まで5試合連続クオリティースタート(6回以上自責3点以下)中と好調な相手に8回まで無得点。9回に宮西から柳田、川島が一発を放ち2戦連続の零封負けをようやく逃れたが、白星まではあと一歩届かなかった。

 千賀は2回、連打と四球で一死満塁のピンチを招くと、西川に2点二塁打を浴びた。その後のピンチは併殺で切り抜けたが「エース対決」で序盤の失点が重くのしかかった。

 大事な初戦を千賀で落としたものの、0・5ゲーム差で肉薄するロッテも敗れたことで首位を堅持したソフトバンク。自己最多の球数を投じたエースの力投を無駄にはしたくない。