ついに82年ぶりの〝扉〟を開いた。巨人のエース・菅野智之投手(30)が15日の阪神戦(東京ドーム)に6回3失点と力投を展開。1点ビハインドの状態で降板するも、その直後に味方が逆転に成功し、1938年春に記録したスタルヒンと並ぶ、球団最多の開幕11連勝を達成した。

「阪神は相当な覚悟を持って戦いに挑んでくると思います。そこに負けないための準備と気持ちを整理してマウンドに上がります。絶対に勝てるように、チームの勝ちにつながるピッチングをしたい」との意気込みで臨んだ菅野だったが、皮肉にも〝予想通り〟に苦しめられた。

 初回一死二塁で3番・糸原の中前打で先制点を奪われると、1―1の同点で迎えた3回には初回にヒットを放った1番・近本に内角高めへ入った150キロの直球を右翼スタンド上段に運ばれ、勝ち越しを許した。

 阪神打線はゲーム序盤から直球系に狙いを絞ってはいたが、この日の菅野は特に直球の制球を欠いていた。2―2で迎えた5回、近本に2打席連続の手痛い一発…。宝刀スライダーをまたも右翼スタンドに放り込まれ、再び勝ち越された。

 しかし、エースの粘投を好調の打線が力強く援護する。特に岡本、丸の4、5番コンビが攻撃の起点となった。1点ビハインドの4回には先頭の岡本が左翼線二塁打で出塁すると、続く丸が阪神先発・高橋の初球、真ん中に入った直球を中前へ運び同点に。「岡本さんの好判断が得点につながってくれました。ナイスランありがとうございます」と主砲を〝ヨイショ〟すると、再び1点ビハインドの6回無死一、三塁で岡本が中前打を放って同点、さらに丸も右前に運びチャンスを広げ、女房役・大城が千金の勝ち越し打。そのリードを後続の投手陣が守り抜いた。

 ナイン全員の後押しで「新たな歴史」の第一歩を踏み出した背番号18。チームも今季初の8連勝で優勝へのマジックナンバー「38」が点灯した。48試合を残してのマジック点灯は原巨人では最速だ。このまま一気にリーグVへ突き進む雰囲気すら漂ってきた。