【平岡洋二 連載コラム】メジャー観戦の中で最も盛り上がった出来事は…

2020年09月16日 11時00分

観戦後にはロス市警の白バイにまたがせてもらえるというサプライズも

【平岡洋二「アスリートの解体書」(21)】アメリカ研修旅行の中で欠かせないのがメジャーリーグ観戦。数多い観戦の中で、印象的だったのは何といっても2012年のダルビッシュの登板試合の観戦。エンゼルスとの対戦日程を旅程に合わせ、運良く登板試合に行き当たった。

 日本人の多いロサンゼルスだけに現地の日本人もダルビッシュのロス初登板を心待ちにしていたようだ。とはいえエンゼルスの本拠地。スタジアムはエンゼルスカラーの赤一色に染まっていた。エンゼルスの先発投手は昨年までレンジャーズのエースで、結果的にダルビッシュの加入で押し出されたことになり、現地では因縁対決としても盛り上がっていたようだ。余談だが、この試合の入場者プレゼントが、黒のカウボーイハット(提供は日本のヨコハマタイヤ)。もちろんダルビッシュのチームがテキサスだからだ。赤一色のスタンドが黒ずんで見えた。

 そんな独特の雰囲気で、野茂時代から始まった私の数多いメジャー観戦の中でも最高に盛り上がり、これぞメジャーを実感できた。何より、トレーニング指導で関わった選手の中で初のメジャー選手としての実観戦となった。また、プロ野球OBの「アスリート」メンバーが同行者にいたこともあり、指導した選手を指導した選手とロサンゼルスの地で応援という実に感慨深い一日となった。ちなみに継投したのは上原で日本人にはさらに興味深いものとなった。

 この2、3年の楽しみはエンゼルス・大谷翔平の活躍。応援の雰囲気や売店でのグッズの種類や量を見るとチーム一の人気選手でありメジャーナンバーワン年俸のマイク・トラウトと同等で、二刀流ということもあってか、過去の多くの日本人メジャーリーガーの中でも別格の存在だというのがわかった。

 ロスのもう一方のドジャー・スタジアムにも野茂が活躍した1990年代から何度も足を運んでいる。同じ西海岸のライバル都市という関係からジャイアンツとの対戦は常にエキサイトする。相手チームへのブーイングは当たり前、時にファン同士の衝突が起きるらしい。

 記憶に残る出来事があったのが15年5月の観戦。この日も多くの警察官の警備で物々しい雰囲気だった。そんな状況下での余談。皆が最も盛り上がったのは試合観戦中ではなく終了後だった。観戦に来た2万台にも及ぶ車の帰宅ラッシュを避けるため、早めに席を立って駐車場に向かっている時だった。警戒中の白バイにカメラを向けた時、何とそのロス市警(LAPD)の警察官が停車し、BMWの大型白バイにまたがることを勧めてくれたのだ。

 皆、大喜びで代わる代わるまたがり、記念撮影。白バイはショットガン装備だった!! こんな想定外の出来事も楽しみ。旅行全般で最も盛り上がった出来事だったかもしれない。

 ☆ひらおか・ようじ「トレーニングクラブ アスリート」代表。広島県尾道市出身。広島大学教育学部卒業後、広島県警に勤務。県警での体育指導を経験した後、退職しトレーニングの本場である米国で研修を積み、1989年広島市内に「トレーニングクラブ アスリート」を設立。金本知憲氏(前阪神監督)や新井貴浩氏(元広島)、丸佳浩(巨人)ら200人に及ぶプロ野球選手を始めJリーグ・サンフレッチェ広島やVリーグ・JTサンダーズ広島など数多くのトップアスリートを指導する。また社会人野球や大学野球、高校野球、ホッケー日本代表などアマチュア競技のトレーニング指導にも携わり選手育成に尽力。JOC強化スタッフ、フィットネスコーチなどを歴任した。実践的なトレーニング方法の普及のためトレーナーを養成する専門学校での講義なども行っている。ジムのHPは「athlete―gym.com」。

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