半沢直樹以上の「倍返し」が実現するか。ロッテ・澤村拓一投手(32)の巨人への〝リベンジ〟が現実味を帯び始めている。チームの好調により、日本シリーズで巨人と対戦する可能性が日に日に高まっているからだ。

 現在ロッテはソフトバンクとシ烈な首位争いを演じる一方、3位楽天には6・5ゲーム差をつけている。周知の通り、ロッテは昨季から対ソフトバンク戦の相性が抜群。今季も12試合を終え、8勝3敗1分と大きく勝ち越し、今後12試合の直接対決を残す。リーグ優勝に向け好条件が揃うばかりか、仮にV逸でも11月中旬に行われるCSで鷹を撃破し、現在セ界を独走する巨人と日本シリーズで対戦する可能性は高い。

 そうなるとがぜん注目を浴びるのが澤村だ。

 古巣から戦力外の扱いを受けロッテにトレード移籍も、新天地でまさかの激変。現時点で2試合の登板ながら、打者6人に対し4三振を奪うなど一人の走者も許していない快投ぶりだ。この調子で巨人相手に好投し、万が一にもロッテが日本一に輝いたら巨人にとってこれ以上の屈辱はない。澤村にしてみれば自身を放出した古巣への究極の恩返し、いや「倍返し」になる。

 本人はロッテ移籍後の会見で、自身のトレードに関し「求められてここに呼んでもらえたのはうれしいことなので。戦力になりたい」と真摯に語っていたものの、内心は複雑だったことは明らか。もっとも、その悔しさをバネにロッテで奮闘を続ける剛腕だけに巨人との日本シリーズは望むところだろう。

 まだペナントレース真っただ中とはいえ、早くも球界内でささやかれるこの「夢の対決」。折りしも世間は空前の「半沢直樹ブーム」だが、球界でも今秋にはドラマさながらの爽快なリベンジが見られるか。