優勝M点灯間近! 巨人ベテラン・中島宏之奮闘のウラに…しんがり「元木メシ」

2020年09月15日 05時15分

元木ヘッド(右)に借りがあった中島

 原巨人が独走態勢を固めつつある。今季最大のヤマ場と見られた13連戦を10勝1敗1分け(1試合中止)で突破し、引き分けを挟む7連勝で締めくくった。勝負強い攻撃陣に鉄壁のリリーフ陣とチーム状態は最高潮だが、中島宏之内野手(38)の活躍ぶりも見逃せない。昨季の低迷がウソのような復活劇の裏には、元木大介ヘッドコーチ(48)と果たせなかった約束の〝反省〟もあるようで――。 

 試練の大連戦を乗り切り、15日からは2位・阪神との3連戦(東京ドーム)。先発マウンドには開幕から10連勝中の無双エース・菅野を送り込み、チームが勝てば優勝マジック「38」が点灯する。

 中軸の坂本や丸の復調がチームを大きく勢いづかせたが、ベテランの奮闘ぶりも光る。チームの野手最年長・中島は13日にはダメ押しのソロを放つなど、61試合で打率2割8分3厘、6本塁打、21打点の成績(14日現在)。打順は下位ながら相手に脅威を与え続けている。

 ただ、まさに崖っ縁からの再スタートだった。移籍1年目の昨季は出場43試合にとどまり、同1割4分8厘、1本塁打、5打点の超低空飛行。契約更改では、推定年俸1億5000万円から2000万円への大減俸も食らった。さらに、打撃不振から2度の二軍落ちを経験し、およそ3か月もファーム暮らしが続いたことで〝ある約束〟も果たせなかった。それが「元木メシ」だ。

 元木ヘッドは入閣1年目の昨季、内野守備兼打撃コーチを務め、ナインとの親睦を深めるために春季キャンプ中で若手からベテランまで片っ端から酒席に誘った。主将の坂本と大黒柱だった阿部(現二軍監督)らを招いた席では「勇人、慎之助。頼むぞ、お前たち」と激励もした。

 とにかく積極的に交流を図るのが〝元木流〟で、当時のキャンプで内野陣を一人残らずコンプリート…したはずだった。しかし、どうにもタイミングが合わず「連れて行けなかったのは、ナカジだけだったんだよね」(元木ヘッド)と先延ばしに。そこでシーズン中の開催に切り替えたのだが、中島は二軍暮らし…。

「(一軍に)早く上がって来いよ。ベテランだと思ってやっていたら、上がって来れないよ。いつでも(連絡を)待ってるよ」と奮起を促し、中島も「分かりました。上がったらメシに連れて行ってください」と約束したのだが、そのままシーズンは終了してしまった。ようやく酒席をともにできたのは、横一線からの競争を求められた今春キャンプだった。

 昨オフに打撃フォームを大胆に変え、陽岱鋼らとの一塁争いも制し、実力で開幕一軍もゲットした中島。「元木メシ」の〝しんがり〟となった昨季の反省を生かすように、今季はここまで二軍降格は一度もない。ドン底からはい上がったベテランも、リーグ連覇へ突き進む原動力となっている。