ロッテ・朗希に心配される「成長痛」 焦らず慎重に調整を進めてほしい

2020年09月14日 16時00分

美馬㊥、澤村㊨に見守られながら黙々とランニングをする佐々木朗

【広瀬真徳 球界こぼれ話】今季は「体力強化」に専念すべきではないか。このところロッテの黄金ルーキー・佐々木朗希投手(18)の練習風景を見ているとそんな気持ちが湧いてくる。彼の投球を見たくないわけではない。調整強度が高まる中、体つきがいまだ成長過程に見えるからである。

 注目の新人右腕は開幕から一軍に帯同。試合には出場せず吉井コーチや一軍投手陣らと連日汗を流している。球場開場前にグラウンド内での練習を切り上げることが多いため、ファンが令和の怪物を生で見ることは難しい。だが、現場でその姿を見ていると肉体の変化は著しい。

 身長190センチという上背の割に細身だった体つきは開幕直後に比べ明らかに大きくなった。特に下半身は連日のランニングや短距離ダッシュ、バイクこぎの成果が表れているのだろう。太もも周辺が盛り上がり、ユニホーム姿からも筋肉増が推察できる。本人は今年4月末、体重が昨夏に比べ7キロ増加したと話していたが、今はそれ以上かもしれない。こうした肉体の変化を見ても体の成長は明らかで、今後さらに続くことも予想される。となれば高身長選手が患う「成長痛」への対応は大丈夫なのか。勝手ながらその心配をしてしまう。

 成長痛とは大谷翔平(26=エンゼルス)がプロ1年目に発症したことで球界に広く知れ渡った疼痛。当時二刀流右腕は検査で骨の成長途上を示す痕跡が見つかり、長らくスロー調整を余儀なくされた。現時点で佐々木朗にその兆候はないようだが、成長痛は自覚症状がない場合もある。仮にその状況下で負荷のかかるトレーニングや投球練習をすればヒザや関節がダメージを受け、骨や肉体に悪影響を及ぼすことがある、と以前専門家から聞いた。そのリスクを考慮すれば、成長途上の剛腕が今季中の登板を実現させる必要はないだろう。

 当の佐々木朗は今月に入りキャッチボールの強度を上げ、遠投距離も40メートルほどに伸びている。山なりだった送球も今では威力が増している。肉眼でも、直球は時折100キロを超えているように見える。仕上がりぶりは順調そのもの。ファンでなくともいち早くマウンドの雄姿を見たくなる。

 実戦登板に向けての期待が日に日に高まるが、佐々木朗は「球界の至宝」と言われる逸材。ここで再び故障してはこれまでの努力が無になりかねない。今後末永く活躍するためにも成長過程の今は焦らず慎重に調整を進めてほしい。

 ☆ひろせ・まさのり 1973年、愛知県名古屋市生まれ。大学在学中からスポーツ紙通信員として英国でサッカー・プレミアリーグ、格闘技を取材。卒業後、夕刊紙、一般紙記者として2001年から07年まで米国に在住。メジャーリーグを中心にゴルフ、格闘技、オリンピックを取材。08年に帰国後は主にプロ野球取材に従事。17年からフリーライターとして活動。