巨人勝ちまくりの原動力は宮本コーチの「アメとムチ」にあり

2020年09月14日 05時15分

宮本投手コーチとメルセデス

 原巨人が試練の13連戦(1試合中止)を10勝1敗1分けで乗り切り7連勝フィニッシュ。貯金を今季最多23まで積み上げた。リーグ連覇に向けて快進撃する原動力の1つが安定した投手陣で、その裏には宮本和知投手チーフコーチ(56)による「アメとムチ」を駆使した巧みな操縦術がある。

 まさに横綱相撲だった。今季、ノーヒッターも達成している相手先発・小川を丸の15号2ランと中島の6号ソロの2発でKO。投手陣は先発・メルセデスを6回途中99球1失点で降ろすと鍵谷、大竹、高梨、中川、デラロサの勝ちパターン5投手で無失点リレー。3―1でヤクルトを退け、今季2度目の7連勝を飾った。

 13連戦(1試合中止)で貯金が9つ増えたことに原監督も「計算があまり得意じゃないからよくわからないけど、そんなに増えたの?」と驚いて見せた。早ければ15日の阪神戦(東京ドーム)でマジックが点灯するが、チーム防御率3・17、総失点229とともにリーグ最少のG投手陣が果たす役割は大きい。その責任者である宮本コーチは「アメとムチ」を使い分けているという。

「アメ」は選手に対する十分な休養だ。救援陣に対し13連戦中、3連投はさせなかった。指揮官が「ピッチングコーチの考え。特殊な日程、特殊なスタートですから」と話したように宮本コーチの「ケガをさせたくない」という提案が採用された。38歳のベテラン大竹については先月28日、球場を〝出禁〟にしてまで状態回復を図った。「オジさんが頑張っている。有給休暇というか自分の調整にしてくれと、個人調整日にしました」(宮本コーチ)と球場にも来させないことで気持ちをリフレッシュさせた。

 もちろん「ムチ」も振るっている。休養日こそ与えるものの、その時間を使ってどうコンディションを整えるかは「自己責任」として突き放しているそうだ。

 新型コロナ禍による過密日程での調整方法について同コーチは選手には一切、指示を出さない。「我々だけじゃない。各チーム、調整が難しい。同じプロとして言い訳できない部分。クリアしていかなきゃいけないのもプロだしすべてがプロの役割」(宮本コーチ)と体調管理はプロならできて当然との考えからだ。

「育成も考えないといけない」と同コーチが話すように今季のG投には高卒2年目・戸郷、直江、同4年目・大江ら一軍経験の少ない若手も多い。それでも菅野ら先輩たちから直接、聞くことでシーズンを戦うプロの調整方法を吸収できる。自ら聞いて学んだことは野球人生のかけがえのない血肉となるに違いない。ヤングG投の1人も「一ついい体験になったんじゃないかと思います。勉強になった」と充実の〝耳学問〟を振り返る。

 リーグV2に立ちふさがる1つ目の山こそ越えたが、今後も9連戦、10連戦が待ち受ける。「宮本流マネジメント」でG投がこのまま好調を維持し続けるのか、目が離せない。