最高の形で乗り切ったのではないか。巨人が13日のヤクルト戦(東京ドーム)を3―1で勝利し、引き分けと中止を挟んで7連勝とした。過密日程と言われる中でも、今回の13連戦は最初にして最大の試練だったが、ふたを開けてみれば10勝1敗1分け(1試合中止)。2、3位チームの勝敗次第では今週中にもマジックが点灯する。

 気がつけばこの連戦で貯金を9も増やし、リーグ完全独走状態の「23」。試合後、原辰徳監督(62)は「計算があまり得意じゃないからよくわからないけど、そんなに増えたの?」とけむに巻いたが、とにかく巨人だけが勝ちまくっている状態だ。

 その安定の強さはこの日にも象徴された。0―1迎えた4回、一死一塁の場面で5番・丸が、ヤクルト先発・小川の2球目、真ん中寄りに入ったチェンジアップをひと振りで仕留めた。「久しぶりにとてもいい感触」と語る15号2ランで逆転すると、6回には中島が〝打った瞬間〟の6号ソロ。この日の小川の数少ない失投を完璧にコンタクトした2発、3点で試合を決めた。

 投げては先発メルセデスが6回途中1失点で降板するも、この日は13連戦の最終日。すっかり〝お約束〟となっている休養日前のリリーフ総動員で、守護神デラロサまで5人を投入して守り切った。

 この日はナイター後のデーゲームとあって、全体練習はなし。個々の調整のみで試合に臨んだ。投手、野手ともに休ませながら乗り切った13連戦。指揮官は「打つ人も、得点できるときは最少点とはいえしっかり点を取っていたり、ピッチャー陣も含めてしっかりしている。妙な逆転負けとか、そういうゲームがないもんね、このところ」と淡々と語ったが、どっかりと腰を据えてチームをまとめる、原監督のマネジメント力あってこそだ。