【快打一閃・得津高宏】今回の巨人とのトレードで、今年1月にロッテの河合オーナー代行とした会話を思い出した。

「今年は優勝したい。絶対に優勝したいんです」

 ロッテの2010年の日本一はシーズン3位からの下剋上で、2005年はプレーオフを制したもののリーグ1位ではなく、実質的なリーグ優勝は1974年が最後。オーナー代行の言葉に「本社もいよいよその気になっているんだな」と思ったものだが、このタイミングでの澤村獲得。現場、球団フロント、そして本社が優勝目指して一丸となっているな…と感じた。

 私はロッテで編成の仕事もしていたことがあったからその思いが強いが、昔からロッテの本社は協力的ではなく、選手の獲得など現場の要望をなかなか受け入れてはくれなかった。だから正直、今回のトレードには驚いているし、逆に「ここまでの球団になったか」という感慨みたいなものもある。

 もともと井口監督と松本球団本部長はツーカーの仲だし、河合オーナー代行との連係もうまくいっているのだろう。メジャーでは優勝を狙える位置にいる球団のトレードが活発に行われるが、そのあたりもメジャーを経験している井口監督らしい。

 確かに田村の離脱は痛いが…。本社、球団フロント、現場が一体となった今のロッテは、本気で優勝を狙えるのではないかとみている。

(本紙評論家)