窮地を救う快投だ。広島のドラフト1位・森下暢仁投手(23)が10日のヤクルト戦(マツダ)で7回1失点の好投を見せ6勝目を挙げた。プロ入り初の中5日での登板をものともせず150キロ超えを連発し、109球の力投。お立ち台では「とにかく思い切って投げることを意識していた。与えられたポジションで投げると決めている」と声を張り上げた。

 周囲からの〝雑音〟もシャットアウトした。前回登板から中5日での起用について佐々岡監督は「本人と話をしながら決めた。ルーキーにそうやって託すのは厳しいところもあるが、期待している選手なので」と説明。ただ、先発として100球超えの登板が続く新人右腕の登板間隔を詰めることにネット上などでは試合前から「新人に無理をさせるな」「ケガが心配だ」などと懐疑的な声が上がっていた。

 しかし、チーム関係者は猛反論。「前回は73球までしか投げていないし、首脳陣が森下本人と話し合って決めたこと。中4日というなら話は違うが、5日空いているのだから問題ない。そこまで言われる筋合いはない」と問題なしを強調した。さらに「中6日だと阪神戦で相手の先発はウチが苦手な西(勇)。結果としてカード頭を外れることで新人王狙いの森下にとってプラスになるのでは」(球団関係者)との意見も…。いずれにしろ結果でいわれなき批判をかき消した森下。今後もフル回転でチームをけん引する。