ロッテ・澤村〝満点デビュー〟でも古巣から厳しい指摘「現実をしっかり受け止めろ」

2020年09月09日 05時15分

ユニホームを貸した打撃投手と記念撮影した澤村
ユニホームを貸した打撃投手と記念撮影した澤村

「幕張の剛腕」として新天地で生まれ変われるのか――。巨人からロッテにトレード移籍した澤村拓一投手(32)の変身ぶりに古巣が大注目している。8日の朝に巨人に別れを告げると、ナイターの日本ハム戦(ZOZOマリン)に早くも登板。6回の1イニングを3者連続三振に仕留める満点デビューを果たした。そんな右腕の恩人の一人である阿部慎之助二軍監督(41)がマウンドでの進化を口にした一方で、澤村の精神面を巡っては〝異論〟も噴出している。

 さっそくの出番だ。ロッテに移籍したばかりの澤村が3―2と逆転した直後の6回、3番手として登板した。新背番号は「57」だが、試合用のユニホームが間に合わず、106番を背負ってベンチ入り。そのままマウンドにも上がった。

 一軍登板は7月25日のヤクルト戦(神宮)で先発して以来、45日ぶり。渡辺への初球には149キロ、2球目は153キロの直球を投げ込んだ。スプリットも146キロ、148キロとキレキレで、まずは空振り三振に料理。かつて巨人で同僚だった大田も空振り三振に仕留めると、昨年はチームメートだったビヤヌエバからも空振り三振を奪い、いきなりの3者連続三振でファンのハートをわしづかみにした。

 それにしても第2の野球人生の初日は慌ただしいものとなった。澤村は早朝からジャイアンツ球場を訪れ、阿部二軍監督や選手たちにあいさつを済ませると、午後のロッテ入団会見を経てすぐに一軍選手登録。そのままナイターで登板だ。

 では、巨人では制球難に苦しんだ剛腕が、ロッテで大変身する可能性はあるのか。阿部二軍監督によれば、鬼のような形相で常に全力投球の澤村に、トレード発表前日の6日の二軍戦で進化の一端が垣間見えたという。

「何かキッカケをつかむんじゃないかなって思っていた。笑顔で投げていたからね。何の笑顔かよく分かんないんだけど…(笑い)。でも『怖い顔して投げるな』と言っていたし。『眉間にシワを寄せて話を聞いているだけで体に力が入るぞ』って。マウンドで笑うぐらい平常心にはなれていたので。そこはホッとしましたし、僕もうれしかった」

「鬼の澤村」から「仏の澤村」へ。阿部二軍監督は現役時代から何度も脱力投法を勧めてきたが、最後の最後に改善の兆しが見られたという。

 一方、内面はどうか。澤村は「原監督も含め、阿部さんにも、いろんな人に『成長したな。変わったな』と思ってもらえるように精進していきたい」と恩返しを誓うとともに、G球場での報道対応とロッテの入団会見ではプライドの高さをうかがわせる言葉も残した。

 それが「(ロッテに)求められた」とのセリフ。G球場では「求められて行くと思っているので」と語り、会見では「求められるってうれしいこと」と繰り返した。これに対し、入団当時から澤村を知る古参のチーム関係者からは「そういうところ。戦力として求められたのは確かだけど、それと同時になぜ球団がトレードを拒否しなかったのか。現実もしっかりと受け止めないと。せっかく新しい環境で、リスタートできるチャンスをもらったのだからもったいない」と、変わり身を期待するがゆえに厳しい指摘も入った。

 もちろん、プライドを捨てて裸一貫から出直すことが正解なのか、これまで通りに強気な姿勢を貫くことが正解なのかは分からない。ただ、今こそ突き付けられた現実と正面から向き合う必要もあるのかもしれない。

「後ろ向きなことは一切ないです。楽しみでしかないです」と新天地に旅立った澤村。その変身ぶりを古巣も見守っている

ピックアップ