ラミレス監督は律儀な男 勝っても負けてもインタビューに応じる

2020年09月09日 11時00分

ラミレス監督は勝っても負けても丁寧に取材対応する

【赤坂英一 赤ペン!!】安倍首相の辞任会見では「お疲れさまでした」と言う記者がいなかったことが随分批判された。そんな政治の世界とは逆に、囲み取材に臨む前、必ず自ら「こんにちは、お疲れさまです」とあいさつするのがDeNA・ラミレス監督である。取材が終わると「レッツゴー」を意味するスペイン語「バモス(VAMOS)」と言いながらVサインを見せるのもお決まりだ。

 本拠地・横浜での試合後には、たとえ負けてもグラウンドでテレビインタビューに応じる。ある意味、日本人以上に律義な監督さんだと言っても異論は出ないだろう。

 そのラミレス監督が先週3日の巨人戦では、アベノマスクを配布したときの安倍首相さながらに批判された。中継ぎのパットンに来日4年目で初の先発を任せて2回途中9失点。その上、元守護神の山崎、先発2連勝中のピープルズ、現守護神の三嶋にも事実上の敗戦処理をさせたからだ。

 東京ドームのスタンドから「ラミレス! どうなってんだよ!」と怒声が飛び、巨人OBの上原浩治氏がツイッターに「DeNAファンがどう思い、どう感じてるんだろうか」と投稿。最近、これほど批判の声が寄せられた采配も珍しい。

 しかし、ラミレス監督はこのときも、精一杯の説明を行っているのだ。

「今回の起用は(今永、平良が故障で離脱した)2週間前に考えた。パットンやピープルズとは、しっかりとコミュニケーションを取り、こういう使い方をすると伝えた」

「(1日からの)13連戦でピープルズをリリーフで使おうと思った。彼は球種が豊富でクイックも速いからね。いずれオースティンやロペスが二軍から一軍に復帰すれば、ピープルズを抹消せざるを得ない。それまでに、彼をできるだけ多く使うベストの方法を考えた。リリーフのあと、中3~4日での先発も可能だ」

 こういうコメントも、何かと言葉を濁しがちな日本人の監督に見習ってほしいところである。

 ただ、理にかなっているようだが、ピープルズを先発に固定したまま、中4日で回してもよかったはず。また、オープナーで使うなら、パットンではなく、先発経験のある石田、武藤、伊勢の方が適任だったのでは、という疑問も残っている。

 それでもラミレス監督は「采配については今後も迷わずやっていく」と断言。勝っても負けても、また囲み取材に参加するのが楽しみである。 

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」「プロ野球第二の人生」(講談社)などノンフィクション作品電子書籍版が好評発売中。「失われた甲子園 記憶をなくしたエースと1989年の球児たち」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。ほかに「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。日本文藝家協会会員。