【平岡洋二 連載コラム】指導効果の証しのバットをもらい損ねた選手は…

2020年09月09日 11時00分

ジムに飾られたプロ野球選手の本塁打1号バット

【平岡洋二「アスリートの解体書」(17)】「バット持っていきますね」。この夜、プロ初のホームランを放って0―0の緊迫した試合に決着をつけたヒーロー・堂林翔太(広島)からの絵文字入りのメール(2012年4月24日、21時18分54秒)だ。初ホームラン20歳8か月は当時の球団記録だそうだ。エースで4番で甲子園優勝。その甲子園での記念弾。瞬間だが首位打者にもなった。持ってる男なのだろう。性格的にも全く嫌みのない、過去100人の中にいなかったタイプで、強豪校出身者らしからぬ優しい雰囲気を持っている。ルックスもかわいらしい。カープ期待のスター候補生…。当時の私の日記だ。

 プロ野球選手との関わりの歴史の中で、私の唯一のコレクション。いつのころからか、一軍の公式戦で初ホームランを打った選手に、トレーニング指導の効果の証しとして実物のバットをプレゼントしてもらうようになった。コレクション第1号は高信二(現広島ヘッドコーチ)。もう30年近くも前のもの。相手投手は大魔神(佐々木主浩=当時大洋、1992年5月25日)以降、丸佳浩(対横浜・大家友和投手・2011年4月19日)、堂林(対阪神・メッセンジャー投手・12年4月24日)、鈴木誠也(対ヤクルト・石川雅規投手・14年9月25日)などなど。直近では高橋大樹(対DeNA・今永昇太・19年6月28日)、坂倉将吾(対巨人・大竹寛投手・19年8月1日)。

「アスリート」メンバーになっての初ホームランを含めれば既にその数43本。もちろん丁重にかつ半ば強制的にお願いして頂いているのだが、バットは消耗品なのでタイミングを失すると折れたりで紛失してしまう。メンバー第1号の野村謙二郎や、新人からシーズン中も通い続けて毎日のように顔を合わせていた金本知憲のバットでさえもらい損ねている。ちなみにサッカー選手、Jリーガーには初ゴールシューズをもらっている。

 高信二・木村拓也・嶋重宣・東出輝裕・野々垣武志・朝山東洋・森笠繁・松本奉文・高橋建・廣瀬純・福地寿樹・石原慶幸・倉義和・新井貴浩(第100号)・尾形佳紀・比嘉寿光・狩野恵輔・天谷宗一郎・庄田隆弘・小窪哲也・梶谷隆幸・新井良太・岩本貴裕・丸佳浩・中田翔・井生崇光・堂林翔太・中東直己・鈴木誠也・上田剛史・島内宏明・内田靖人・西川龍馬・白根尚貴・大山悠輔・磯村嘉孝・糸原健斗・板山祐太郎・野間峻祥・高橋大樹・坂倉将吾。以上が現時点での全コレクションだ。今年は開幕が遅れたおかげでいまだないが、そろそろ待望の一発が出そうな予感が…。

 ☆ひらおか・ようじ「トレーニングクラブ アスリート」代表。広島県尾道市出身。広島大学教育学部卒業後、広島県警に勤務。県警での体育指導を経験した後、退職しトレーニングの本場である米国で研修を積み、1989年広島市内に「トレーニングクラブ アスリート」を設立。金本知憲氏(前阪神監督)や新井貴浩氏(元広島)、丸佳浩(巨人)ら200人に及ぶプロ野球選手を始めJリーグ・サンフレッチェ広島やVリーグ・JTサンダーズ広島など数多くのトップアスリートを指導する。また社会人野球や大学野球、高校野球、ホッケー日本代表などアマチュア競技のトレーニング指導にも携わり選手育成に尽力。JOC強化スタッフ、フィットネスコーチなどを歴任した。実践的なトレーニング方法の普及のためトレーナーを養成する専門学校での講義なども行っている。ジムのHPは「athlete―gym.com」。

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