伊原春樹氏「ロッテの澤村獲得はいい補強 パのV争いを左右するトレードだ」

2020年09月07日 20時00分

伊原氏は「ロッテいい補強をした」と澤村獲得を評価した

【新・鬼の手帖】ロッテはいい補強をしたな、というのが今回のトレードに対する率直な感想だ。逆転勝ちは両リーグ最多の21度を数え、1点差試合も14勝6敗と粘り強さはあるが、勝ち試合の後半を担う投手が1枚足りないという印象を持っていた。そこに経験豊富な澤村が加わることで、一気に厚みが増すはずだ。

 ここ数年の澤村は制球難が目立ち、四死球を出すと、ベンチもスタンドも「こりゃあダメだ」という見方をしてしまうような傾向があった。しかし、依然としてボールには力があるし、球速にも衰えは見られない。成績が振るわなかった背景には、どこかウジウジしていたというか、メンタル面の要素が多分にあったと思う。環境が変わることでよみがえる可能性は高く、澤村にとってもいいトレードだったのではないだろうか。

 青学大出身の井口監督と中大出身の澤村には東都大学リーグ出身という共通点がある。例えとして適切かどうか分からないが、巨人には早大や慶大が属する東京六大学リーグのような雰囲気があり、その点でも澤村にとってのびのびとプレーできる環境になるような気もする。

 ロッテ球団のリーグ優勝にかける本気度も伝わってきた。おそらく編成担当者が澤村のことをずっと追いかけていたのだろう。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が6月19日にずれ込み、トレード期限も例年の7月31日から9月30日に変更されたことからこの時期でもトレードが可能になったわけだが、今回の澤村獲得でチーム全体が「さあ、行くぞ」というムードにもなるだろう。

 ロッテは先週末の直接対決でも3連勝したように、首位ソフトバンクと相性がいい。昨年は17勝8敗と大きく勝ち越し、今年もここまで8勝3敗1分けで、0・5ゲーム差と肉薄している。澤村に新天地で完全復活してもらいたいと思うと同時に、このトレードがパ・リーグV争いの行方を左右するような気がしている。
  (本紙専属評論家)