闘将・星野〝直伝〟の矢野キックで逆転Vへナインを引き締める!?

2020年09月07日 11時00分

矢野監督

 

こうなったら最後の手段だ! 首位・巨人に7・5ゲーム差をつけられた阪神で、矢野燿大監督(51)の“野性化”を期待する声が高まっている。これまで指揮官は試合中にナインの「躍動」に対してのみ感情を表現することに徹していたが、今後は選手に刺激を注入する意味でも、負の感情もベンチ内で大いに放出してもらいたいという。一体、どういうことか。

 13連戦中の阪神は6日の巨人戦(甲子園)を雨で流した。選手のコンディションを考えれば“中日”での水入りはプラスに働きそうだが、矢野監督は「勝つしかないんだよ!
俺らは!」とファイティングポーズを緩めることはなかった。

 前日5日に2―11と大敗を喫し、宿敵とは7・5ゲーム差。これ以上、離されたくない阪神は7日の同カードに防御率0・93、巨人との対戦防御率0・64と抜群の安定感を誇る左腕・高橋を中5日で投入し、必勝を期す構えだ。

 数字上、逆転Vは難しくなりつつあるが、今季限りでの引退を表明した藤川のゲキもあり、チーム内には「このまま引き下がるわけには…」との思いは高まりつつある。その状況下で“プラスワン”として期待されているのが、矢野監督の変わり身だ。

「矢野ガッツ」で知られるように、指揮官は自軍の好プレーや得点シーンに、ナインと一緒に「喜び」の感情表現を繰り出している。一方で「必要以上に選手を萎縮させないため」との理由からミスや失点シーンで負の感情を表に出すことは抑えてきた。

 だが、元来は捕手出身で緻密な野球を好み、記録に残らない細かい部分にまで“愚痴”をこぼす「瞬間湯沸かし器」タイプと証言する関係者は多い。そんな荒ぶる感情を今こそ解禁すれば、必要以上にストレスをため込むこともなく、そのアクションはチームへ「喝」を入れる号砲にもなる。

 この手法は矢野監督の選手時代の最初の上司でもあった星野仙一元監督(故人)が有名だ。特に阪神監督時代は「クソォ~この野郎!」と怒りに任せ、ベンチを蹴り上げる「星野キック」が頻繁に繰り出され、ベンチ内の空気の引き締めに効果を発揮したとされる。

 しかも、この足技は甲子園球場のベンチだとめったなことでは「テレビに抜かれない」ことでも知られている。通常、監督が座る席は内外野、どちらのカメラマン席からも、下半身部分は“死角”となりやすいからだ。闘将もそれを計算した上で、表情は笑顔のままキックを繰り出していたという。

 現役時代から冷静沈着でスマートなイメージの矢野監督だが、熱く激情家の勝負師としての一面も持っていることは広く知られている。かつての師でもある闘将のスタイルを「矢野キック」として継承できれば、逆転Vを期す猛虎ナインを引き締め、鼓舞する切り札にもなりそうだ。