Gナインが加速する「巨人メジャー化計画」への対応を求められている。地獄の13連戦中の巨人は移動試合となった4日の阪神戦(甲子園)で試合前の打撃練習を行わなかった。選手のコンディションを最優先したメジャー流調整だったが、虎先発・西勇輝を捉えきれず連勝が5でストップ。過密日程から同調整は今後も採用される見通しで、Gナインに大きな〝宿題〟が残った。

 移動試合となったこの日、巨人は午後3時過ぎと通常より遅めに甲子園に到着。選手各自がランニング、キャッチボールなど約1時間、軽めの調整を行うと打撃練習をしないで試合に臨んだ。

 10連戦中だった昨年5月4日の広島戦(マツダ)でも採用されたメジャー流調整で虎先発・西勇に挑むも、6回までわずか1安打。一方、G先発・戸郷は2被弾で6回5失点と一方的な展開。7、8回に計4点を返したが時すでに遅く4―5で敗れた。

 この日の調整方法は「移動ゲームだし、外だし。練習を今日はなしにしようぜ。自分たちで調整しようと言ってやった。(予定は)前から決まっていた」(元木ヘッド)と首脳陣の中では早い段階から計画されていたという。

 第3次政権となった原監督は次々と「Gメジャー化」を推進。就任直後、手始めに本拠地・東京ドームのベースとマウンドをメジャー仕様に変更すると「2番最強打者」として坂本を配置し、5年ぶりのリーグVを果たした。

 2年目の今季、傾向はさらに加速。8月6日の阪神戦(甲子園)で増田大の野手登板を敢行すると、8月9日の中日戦(ナゴヤドーム)ではオープナーを採用した。

 その一環のメジャー式調整というわけだが、昨季の「打撃練習ナシ」も経験済みの主力選手の一人は「やっぱり試合前には打った方が打席に入りやすい。いきなり本番だと直球に差し込まれる。打席に立っていけばだんだん慣れてくるんですけど…」と対応に苦慮していた。

 それでも指揮官が「最善策」として採用する以上、Gナインには適応が求められる。コロナ禍の今季は13連戦が終わっても9連戦、10連戦、9連戦と過密日程が続くため、再びいつ採用されてもおかしくない。

 選手のコンディションを考えてのチーム方針だけにGナインとしては打撃練習なしでもしっかり白星で応えたいところ。メジャー流に適応できるがどうかは原巨人のリーグV2、日本一奪回の大きなカギとなりそうだ。