二軍調整中でも「引く手あまた」か。8月8日に国内FA権の資格取得条件を満たしたロッテの左腕・松永昂大(32)に他球団が熱視線を注いでいる。

 2012年にドラフト1位でロッテ入りし、1年目から主に中継ぎで活躍。昨季まで7年連続40試合以上に登板した。シーズンを通して安定した成績を残すタフネスぶりが魅力だ。

 ただ、今季は体調不良もあり、開幕は二軍スタート。7月中旬にようやく一軍昇格を果たし、5試合に登板して3回1/3を無失点で3ホールドを挙げたが、国内FA権を取得した直後の8月10日に再び二軍落ち。以後はファーム暮らしが続いている。

 だが、球界内での評価は高い。二軍の試合を視察する他球団の編成担当者はこう分析する。「プロ1年目から即戦力として長年活躍してきたこともあり、ヒジに勤続疲労が出始めているのは多少気がかりです。それでも、まだ30代前半。中継ぎ左腕はどのチームも不足してますから需要があるのは当然でしょう」

 中堅左腕が脚光を浴びる背景には別の要素もある。同じ中継ぎ左腕で今年7月14日に楽天からトレードで巨人に移籍した高梨雄平(28)の予想外の活躍だ。

 高梨も松永同様、今季は開幕二軍スタートも、巨人移籍後は別人のような働きぶり。今季初登板となった7月22日の中日戦から15試合連続無失点に抑えるなど、今やチームに欠かせない救援投手になっている。

「松永の実力、実績は高梨以上ですし、過去には先発経験もあるので長いイニングも投げられる。起用法は高梨以上に多様ですから(FAの)権利を行使すれば最低でも3、4球団は獲得に動くんじゃないですか」と前出の編成担当者は言う。

 地味な存在ながら、本人の気持ち次第でオフの主役に躍り出る可能性も十分にある。