阪神は1日のヤクルト戦(甲子園)に2―1と勝利し3連勝。同点の9回にジェリー・サンズ外野手の13号ソロで、今季初のサヨナラ勝ちを決めた。

 誰もが認める虎の4番だ。先制点もサンズのバットからだった。4回、中前打の木浪を一塁に置き、サンズが打席へ。相手先発・石川の3球目のカットボールを思い切り引っ張ると打球は三塁線を破った。この当たりで木浪が一気に生還。「あのボールは珍しく浮いてきたからしっかり捉えることができた」と言う通り、甘い球を逃さず、得点圏打率4割8分8厘(試合前時点)の勝負強さを見せつけた。

 先発・高橋の好投に応えるべく、6回一死二、三塁のチャンスで打席を迎えたサンズは空振り三振。高橋に白星をつけることはできなかった。

 しかし9回、一発で試合を決めた。イノーアのフルカウントからの6球目、高めに入ったスライダーを叩くと、大歓声の中、打球は左中間席に着弾した。総立ちの甲子園のダイヤモンドを、いつものように小気味よく駆け抜けた。ナインから水を掛けられ、祝福を受けた。

 試合後、サンズは「すごくうれしい。サヨナラホームランは(自分が)打って勝つので気持ちがいい」と満足げ。今季限りでの引退を表明した藤川について質問が及ぶと「タイガースでしっかり結果を残された方。アメリカでプレーしたりいろんな経験をされ、英語で話しかけてくれたりした。一緒にプレーできてよかった」と語った。残り試合も自らの打棒でチームの勝利に貢献し、最後は藤川も加えたナインで美酒を味わいたい。