巨人の絶対エース・菅野智之投手(30)に、さらなる〝重圧〟だ。

 チームは1日のDeNA戦から〝試練の13連戦〟に突入する。過密日程に加え、中止試合の予備日が組み込まれたことで生まれた、チームにとって最初の正念場だ。

 その初陣を飾るのが、開幕投手からの10連勝がかかる菅野だ。前回登板のヤクルト戦(神宮)で9連勝を達成。球団としては1938年のスタルヒン(11連勝)以来、82年ぶり2人目の快挙となった。

 前回登板後、勝ちを重ねている状況に「意識しない人はいないと思いますし、勝ちたいですし。(今は)それがただ連続しているだけなので、毎試合勝ちたいという気持ちが結果的に『連勝』となればいいなって思っている程度で」と控えめに語った菅野だが、その後「でも、ここまできたらね、勝てるところまで勝ち続けたいなっていうのは正直なところです」とキッパリ。プレッシャーをひしと感じつつ、貪欲に勝利を重ねる強い姿勢を示した。

 13連戦の先発ローテーションは、状況によっては中5日で回す可能性もあった。しかし、故障明けのサンチェスが復帰予定。メルセデスも思いのほか回復は早そうで、13連戦中も中6日で回せるメドが立ったが、懸念されるのは戦況によっては連投を強いられるリリーフ陣の負担だ。

 菅野の登板は主に、6連戦の初戦、試合のない日の翌日にあたる。そのため、6戦目は自慢のリリーフ陣を総動員させることが可能だった。13連戦では、そういった〝余裕〟もなくなるが、宮本投手チーフコーチは「私の中では智之が投げる前の日は(リリーフ陣)総動員していいんじゃないでしょうかと思っていますね」と〝完投指令〟を下した。

 首脳陣は先発としての〝合格ライン〟を7回と位置付けている。現状これをコンスタントに超えられる投手は菅野くらいだ。さらなる責任がのしかかることになるが、これも絶対エースへの信頼は厚さゆえ。あらゆる期待を背負い、背番号18が10連勝をかけたマウンドに上がる。