楽勝ムードからあわや…。29日の広島戦(マツダ)を6―5で競り勝った阪神だが、内容はヒヤヒヤものだった。
猛虎打線が序盤から攻勢をかけ、4番・サンズの適時打や売り出し中の19歳・小幡の絶妙なスクイズ(記録は一塁への適時内野安打)など、3回までに5得点。敵のエース・大瀬良をKOする理想的な展開で5―0と大量リードした。
だが、中盤4回から21日のヤクルト戦で今季初勝利をあげて迎えた先発・藤浪が中盤に突如の乱調を露呈した。味方のまずい守備をきっかけに4回に松山に適時打を浴びると、5回も先頭打者への四球を口火に、3安打を集中され3失点とあっという間に1点差とされ、なおも二死一、三塁から会沢に死球を与え、満塁としたところで、矢野監督は2番手・岩貞へのスイッチ。大量リードを守り切れず藤浪は、102球6安打4失点。勝利投手の権利にアウト1つ足りずにマウンドを降りた。
降板後「序盤に大量得点を取ってもらった中で、本来はもっと長いイニングを投げなければいけない展開でした」と球団を通じ、コメント。手厚い援護をフイにしてしまったことに、反省しきりだった。
その後、試合は何とか一度も追いつかれることなく、逃げ切ったが、矢野監督も藤浪については「5回も先頭の四球からだしね。まだまだ課題もあるんだけど、その中で結果に結びつけていけるようにならないと」と注文をつけることを忘れなかった。