広島が28日の阪神戦(マツダ)を今季初のサヨナラ勝ちで制した。

 伏兵が膠着した一戦に終止符を打った。9回一死一、二塁から打席に入った上本が阪神・岩崎から中越えに劇打。9回に失策を犯していた背番号0は今季初のお立ち台で「抜けてくれと思っていました!」と声を張り上げた。 

 ルーキーの力投は実らなかった。1点リードの9回、守護神・フランスアが連打を浴びて一死一、三塁のピンチ。ここで梅野を二ゴロに仕留めるも無情にも三塁走者が生還して同点にされ、森下暢仁投手(23)の6勝目は幻となった。

 新人王争いが激化している。巨人・戸郷が27日のヤクルト戦(神宮)で7勝目をマーク。「全然意識している。新人王を取りたいという気持ちはどんどん強くなっている。(戸郷の登板結果も)気になっている」とライバル心を燃やすだけに序盤から150キロ超えの直球で飛ばした。

「いいリズムで攻撃を迎えてもらうためにテンポよくやっていきたい」という右腕を、野手もアシスト。菊池涼と坂倉の一発で援護すると、2回無死一塁の場面では鈴木誠が強肩を生かしライトゴロを奪うなど守備でももり立てた。7回には一死二塁と打たれれば勝ち星が逃げてしまう場面を迎えたが、強気の投球を継続し、7回2失点で役目を終えた。

 23歳での初登板で快投した森下に伏兵・上本の一打。この勝ちが明日も続かないと嘘だ。