巨人・戸郷翔征投手(20)が27日のヤクルト戦(神宮)に先発し、5回4安打無失点で降板。打線の強力援護もあり、8月は負けなしの4連勝で今季7勝目を挙げた。

「ヤクルト打線は打ちだしたら止まらない印象。ランナーを背負っても落ち着いて丁寧にバッター一人ひとりをしっかり抑えていきたい」と意気込み臨んだマウンド。しかし、自身の投球がおぼつかない。1点リードの3回には、二死から3連続四球で満塁。5番・エスコバーを渾身の直球で遊飛に打ち取り切り抜けたが、3回までで70球を要した。

 2点リードの4回にも先頭打者に二塁打。二死三塁とされると、9番・投手の高梨に右前へはじき返された…が、前進守備の右翼・松原が迷うことなく一塁へ矢のような返球でアウト! 松原自身「想定していました。イメージ通りのプレーができました」と胸を張る「ライトゴロ」で戸郷を助けた。

 この好プレーが攻撃に弾みをつけたか、2点リードの5回二死一塁、岡本がリーグ単独トップの48打点となる左越え二塁打を放ち、1点を加えると、続く5番・丸が左翼スタンドへ13号2ランで計3点を追加。試合の主導権を握った。

 戸郷が掲げる目標は「新人王」だ。獲得すれば球団としては2011年の澤村以来、高卒から巨人入団の投手では37年ぶりの受賞となるが、その対抗馬となっているのが広島・森下だ。勝利数や奪三振数など、拮抗する〝ライバル〟の存在も原動力となっている。

 くしくもこの日は昨年合同で自主トレを行ったブルージェイズ・山口がメジャー移籍初勝利。お世話になった〝師〟のためにも、取りたい勲章に違いない。試合後は「何とか粘ることはできました。リズムが悪くなったことは次の課題」と振り返った。

 これでチームも3連敗のあと3連勝。貯金は今季最多タイの13に戻した。巨人が連覇に向けて完全に息を吹き返した。