ソフトバンクの笠谷俊介投手が、今季2勝目をマーク、先発としては初白星を手にした。27日のオリックス戦(ペイペイ)で5回2安打無四球1失点、7三振を奪う快投だ。「1点は取られましたが、先発としての仕事はできたと思います。5回まで投げることができて良かったし、今日のような投球を続けたいです。拓也さん(捕手の甲斐)のリードや、守備にも助けてもらい本当に感謝です」と笑顔を浮かべた。

 今季12試合目の登板で先発は6度目。これまではショートスターターの役割で、前回20日のロッテ戦(ZOZOマリン)でも4回を2安打無失点に抑える抜群の投球を見せながらも、5イニング目のマウンドに立つことはなかった。笠谷は「試合の流れを作って、0でつなぐことが僕の仕事ですから」と未練はなかったが、その一方で5回を投げ切れる感覚もあった。「あの時は自分の中でも久々に野球を楽しめた感じがあった。(行ける)気持ちは十分にありました」。それがついに、だ。

 実は試合前、工藤監督も「そろそろいいかな」と話していた。「今日は良ければ行けるところまで行ってみたいなと思います。だいぶ本人もマウンドの上で落ち着いて投げられるようになっているし、自分のボールが通用するんだと抑えたことが自信にもなっている。調子が良ければ伸ばしてもいいかなと思う」。そんな指揮官の期待にも応える投球になった。

 打線も2回に甲斐の5号2ランなどで3点。7回には上林の6号ソロで追加点。笠谷の後を板東―森のリレーで逃げ切り4―2で勝利した。ソフトバンクは5連勝で貯金は今季最多の11。オリックス戦は13勝2敗で、ここだけでも〝貯金11〟となり、早くもカード勝ち越し。いよいよ鷹が勢いづいてきた。