本紙評論家・伊原氏がオリ西村前監督〝解任〟に「責任はない。スカウトのレベルが低すぎる」

2020年08月25日 11時00分

2月のキャンプで語り合う伊原氏(右)と西村前監督

【伊原春樹 新鬼の手帳】オリックスが西村徳文監督(60)の電撃辞任をきっかけに3連勝と調子を上げている。中嶋聡監督代行(51)は若手を抜てきし、チームに新しい風を吹き込んでいるが、今回のシーズン途中での監督辞任劇を、オリックスでの監督経験がある本紙専属評論家・伊原春樹氏は、どう見ているのか。そして今後のオリックスはどうなるのか――。

 自分が辞めてからチームは3連勝。西村前監督は、今ごろじだんだを踏んで悔しがっていることだろうね。その気持ちは私も経験したことがあるから、よく分かります。

 ただ、そろそろ辞め時なんじゃないかということは、覚悟していたと思う。去年のキャンプで西村と話したときに「この球団は成績悪かったら1年でクビだからな。覚悟しとけよ」と声をかけたら「重々、分かっています」と言っていた。

 今年の春季キャンプで顔を合わせたときは「最下位でしたけどもう1年やらせてもらえることになりました」「今年は大物助っ人も獲ってもらえましたし、Aクラスに行きますよ!」と意欲的だったが、フタを開けてみれば、その新助っ人のジョーンズが全くの期待外れだった。

 体制が変わった途端に3試合で計4本塁打、8打点と人が変わったように打ちだしたが、それまではリーグ最多タイの4度の零封負けが物語るように、とにかく点が取れなかった。8月に入って20日までの成績が2勝13敗1分け。オーナーの宮内さんのことは私も昔からよく知っているから「そろそろかな…」と思っていた。

 指導者としての西村前監督は、彼もサードコーチャーをやっていたことがあるし、きちっとした野球を理想とする私と似ているところがある。実際に「伊原さん、こういう状況だとどうしたらいいでしょうか?」という質問も受けたことがある。ただ、監督としては“もうひと押し”が足りないというか、優しすぎる一面があったように思う。

 それでも、私に言わせれば今季のオリックスの低迷に、西村前監督の責任はほとんどない。最大の問題は球団の編成部、スカウトたちにある。オリックスという会社は宮内オーナーが野球に力を入れてくれるおかげで、ある程度はおカネを使うことのできる球団なのだけれど、例えばそんなにおカネを使えない西武と比べても、スカウトのレベルが低すぎる。昔から連れてくる外国人選手に、とにかく残念な選手が多いんですよ。スカウトのレベルを上げていかないことには、現場は苦労するし、ジョーンズを獲ってきたフロントは、責任を痛感してほしい。

 そしてバトンを受けた中嶋監督代行には「今のムードはいつまでも続かないよ」「そんなに甘いもんじゃないよ」ということは言っておきたい。もちろん、このまますんなり行くはずがないということは、分かっているとは思う。

 中嶋監督代行は西武で厳しさを学び、したたかな捕手だった。オリックスは投手がそこそこ揃っているし、あとは得点力をいかに上げていけるかがカギになる。一時的な勢いで一喜一憂するのではなく、チームの根本的な問題を一つひとつ見つけて解決していくしかない。

 一方、伊原氏は今月6日の阪神戦(甲子園)での巨人・原監督の「投手・増田大」采配について改めて「ダメなものはダメ」と言及した。古巣でもある巨人が野手をマウンドに上げたことに、伊原氏が「これはダメ。巨人の伝統的な戦い方からかけ離れている」などと厳しく指摘したことが大論争を呼んだ。

「伊原春樹」がツイッターのトレンドワードになったことについては「反響があることはいいことですよ」と笑い飛ばしたが、米大リーグ・カブスのダルビッシュが自身のツイッターで、伊原氏が西武コーチ時代に「デストラーデを投手起用している」という点を指摘したことには「ダルビッシュが私の主張に対して、昔の事例まで調べて反応してくれたという話を聞きました。私はスマホで記事とかを見ないので詳しい内容は全く分からないんだけど、知り合いの人が教えてくれた。かわいいやつですよ」とダルビッシュに好印象を持ったという。