日本野球機構(NPB)とJリーグが合同で設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第14回会合が24日、Web会議システムで実施された。

 JリーグではJ1の鳥栖で12人の感染者が出るクラスター(感染者集団)が発生。プロ野球でも選手やスタッフ、審判員の感染が判明する事例が出た。会議ではこれらの事例を踏まえ、感染者が出たケースの情報を共有した。

 会議終了後、Jリーグの村井満チェアマン(61)らとともにオンラインでの合同会見に出席したNPBの斉藤惇コミッショナー(80)は冒頭あいさつで「まず(プロ野球は)一部に発症ケースがあったが、重大な事態には至らず(同会議の専門家チームの)先生方をはじめ皆さんのおかげでここまでやってこれた」と謝意を述べた。

 その上で「どうも発症者が出ると、スポーツもそうだが、出た人を悪人というか、差別、偏見というものが散見される。これは人権を無視する偏見。そういうことをなしにコロナというものを1つの病気の変遷として処理していこうと。なおかつ今の段階では環境的にみて、ウイルスと共存というとおかしいかもしれないが、せざるを得ない。他の病原菌とも共存しているので、その辺のことを頭に入れながら善処していくということを協議させてもらった。非常に重要なテーマだったと思う」とも言葉に力を込め、強い口調で訴えた。

 専門家チームの東北大・賀来満夫氏も「やはり今の一番の大きな問題は(コロナに)かかってしまったことに対して、それを責めるような差別するようなことが全体で大きな影響を与えている。目に見えないものに対する恐れ、そういった中からも出ている。選手、スタッフなどから感染が出た場合、どのようにしてしっかりと管理、責めないようにしながら試合を続行していくのか。今日は経験した事例を基に反省と改善点を見出していく議論をした」と同調し、スポーツ界にも「コロナ差別」が広がる危険性に対して警鐘を鳴らしていた。