虎の〝ファイアボール男〟が再点火だ! ジャスティン・ボーア内野手(32)が、21日のヤクルト戦で来日初の1試合2発を叩きこむ大暴れで復調を印象づけた。

 2点リードの3回。ヤクルト・吉田喜のカットボールを左中間席へ。83打席ぶりのアーチに「久しぶりに、見せられてよかった」と三塁側へ陣取った虎党へファイアボールポーズを披露すると、8回にも3番手・大下のフォークを「うまく反応できた」と右翼席へダメ押しの9号ソロ。7月28日以来、試合前まで試合ノーアーチ、14打席連続無安打の不振が原因で7番まで打順を下げられた中、来日初の1試合2本塁打と奮起した。

 通算92発のメジャー時代から松ヤニを愛用し、好不調にかかわらず、手袋を使わない打撃を好むボーア。米国でもこのタイプは少数派で「手の感性を大事にする打者」として、MLBでも過去に注目されたこともあった。そんな〝素手派〟の代表格として、過去にボーアと比較されてきたライバルは、現在も海の向こう側で活躍中だ。

 その選手とはサンディエゴ・パドレスのウィル・マイヤーズ。17年当時、フロリダ・マーリンズにいたボーアが25本、マイヤーズが30本と同時期に本塁打を量産、レギュラーをつかむなど台頭したこともあり、米球界関係者によれば「当時から、手袋をはめて打つ選手が大多数のなか右ならマイヤーズ、左はボーアが代表的だった」。当時の米国のスポーツ番組では「素手の強打者」として、2人が取り上げられたこともあった。

「素手打ちの名手」として一時代を築いたかつてのライバルは、現在もMLBで24試合で6本塁打、17打点(21日現在)と活躍中。新天地に活躍の場所を移したボーアも、大いに刺激を受けているはずだ。