首位快走でも光る原監督の目 巨人コーチに求められる〝真の指導力〟

2020年08月21日 06時15分

試合に勝ちスタンドにあいさつする原督(右)と元木ヘッドら首脳陣

 首位・巨人が20日の阪神戦(東京ドーム)に2―0で快勝した。3試合連続の零封勝ちを飾り、貯金も今季最多の13とした。順風満帆にも見えるが、舞台裏では原辰徳監督(62)の脇を固める首脳陣も苦境打開に試行錯誤の日々。特に今季はコロナルールによって従来ならば外部からも得られた〝新エキス〟が遮断され、今季はホンモノの自己解決力を求められている。

 このまま突っ走れるか。先発の戸郷が7回途中まで11奪三振の快投をみせ、その後を高梨、中川、デラロサが無失点リレー。打っては不振にあえぐ坂本が先制&ダメ押しの2打点をマークし、終わってみれば今回の阪神との3連戦で1得点も許さず、文字通り圧倒した。

 同一カードでの3試合連続零封は25年ぶりとなったが、試合後の原監督は浮かれることなく「勝負の世界というのは、そういうこともあるでしょうけども、たまたまというところで我々はまた明日からも気を引き締めて」と冷静に受け止めた。

 この日で50試合を消化し、両リーグ最速で30勝に到達。120試合の短縮日程とはいえ、連覇への道のりはまだまだ遠い。コロナ禍により、何から何までかつての日常とは異なるシーズン。その中で真価が問われるのは「コーチ陣の真の指導力」(球界関係者)との見方もある。

 というのも、今季は感染拡大防止を目的に、グラウンド内に立ち入れるのは首脳陣や選手のユニホーム組と最小限の球団スタッフらに限られている。昨季までは球団OBや評論家がグラウンド内を頻繁に訪れ、試合前練習中に監督やコーチ陣と対話することが当たり前だった。しかし、今季は例外なく認められない。選手たちは練習に集中できるかもしれないが、コーチたちには多少なりとも〝ダメージ〟があるという。

「その選手の状態に合った適切な指導方法のヒントを外から得られる機会がなくなったわけだからね。電話でも聞けないことはないだろうけど、同じ現場にいながら生まれるものとは助言の質も変わるはず」(同)。要するに、外部と遮断された環境だけにコーチ陣は自分たちの力だけで解決法を探るしかないというわけだ。

 特に投手陣が好調な一方で、浮き沈みが激しかったのが攻撃陣。前カードの中日戦後、原監督は「コーチがどういう指示、正しい指示を出していたのかというところがね。コーチに問いたいね」とムッツリだった。すると、今カードの試合前練習でコーチ陣は積極的に打開策に乗り出した。石井野手総合コーチや後藤同コーチは速球対策とみられる〝目ならし〟のメニューを導入。この日の試合前も元木ヘッドが相手先発・青柳になり切り、坂本に横手投げで近距離からプラスチック製の球を投げ込むシーンもあった。

 アイデアを出し合いながら首位を走れているのは努力のたまものなのだろうが、ゴールははるか先。コーチ陣の試行錯誤の日々もまだまだ続きそうだ。