ソフトバンクは20日のロッテ戦(ZOZOマリン)に4―5でサヨナラ負け。延長10回に栗原の勝ち越し打で2点をリードし、敵地で昨年8月8日以来となる約1年ぶりの勝利が見えたが、その裏、二死からマーティンに同点2ランを浴び、最後は椎野の暴投の間に二塁走者の生還を許す悲劇的な結末だった。この痛恨の敗戦でロッテに同率首位に並ばれ、21日の結果次第では0・5差で迫る3位楽天とも入れ替わる状況となった。

 昨季、ZOZOマリンでの戦績は2勝10敗。今季も2敗1分けと、負の連鎖を引きずるように勝てない。勝ちゲームをひっくり返された工藤公康監督(57)は試合後、開口一番に「すいませんでした」とひと言。序盤に先制し、追いつかれても勝ち越すという試合展開を前向きに振り返りながらも、受け入れがたい結末に終始ため息が漏れた。「僕もまったく読めない展開だった」という指揮官が痛感したのは、締め方の難しさ。「最後の最後のところがいかに難しいか。野球の中で最後を締めるというところ。長いことやっていますが、もう一度、骨身にしみました」

 10回は泉、椎野と若手を起用。ともに2四球を出した。「ストライクが入らないということは最終的にその技術を身につけないといけない。どんなに緊張しても、足が震えようがストライクが取れる投手になってほしい」と注文をつけた。その上で「緊張もしただろうし、ああいうところで投げる苦しさも味わったと思うが、(守護神の)森だって苦しい思いやつらい思い、悔しい思いをして、その中で前向きに練習して『くそー』という思いを持ってやってきたからこそ今がある。いい手本もあるので、心掛けなんかを聞きながら、落ち込むのではなく前向きに捉えて頑張ってほしい。明日からも試合はあるし、シーズンは続くので、またこういう状況が来た時にしっかり(次は)立ち向かえるように。経験しない限りはそこ(大事な場面)では投げられないので、この経験を生かしてほしい」と逆襲に期待した。

 最後は「明日こそは、と強い気持ちでやってほしい」と自身も含めてチーム全体を鼓舞した工藤監督。これ以上〝鬼門〟で深みにはまるわけにはいかない。一日も早く嫌な流れを断ち切りたい。