巨人のエース・菅野智之投手が中5日で先発した18日の阪神戦(東京ドーム)で今季3度目の完封ピッチ。開幕戦から無傷の8連勝をマークし、チームでは1990年の斎藤雅樹以来30年ぶり3人目の〝快挙〟を決めた。

「虎の子」の1点を守り抜く圧巻の投球だった。「先頭をしっかり抑えて、球数少なく、長いイニングを投げたい」と登板前日のコメント通り、先頭打者は一人も出さず。淡々と阪神打線を抑え込む中で、感情を表に出したのは6回だった。

 一死後、俊足の1番・近本を三塁内野安打。糸井、さらに4日の対戦で本塁打を浴びているサンズとの対決を前に、菅野がギアを上げる。糸井にはフォークで一ゴロ。近本を二塁に置いてサンズとの勝負で意表を突いた。カウント1―1からの3球目をやや内角ボールゾーンに151キロ直球。これを見せ球とすると、次に投じたのは宝刀スライダーではなく128㌔のカーブ。見事、右飛に仕留めると、菅野はバシッとグラブを叩いた。

 試合は阪神先発・高橋との投手戦。孤軍奮闘のエースを援護したのは主砲・岡本のひと振りだ。両軍無得点で迎えた4回二死走者なし。カウント2―2からの6球目、やや変化の甘いツーシームを見逃さなかった。

「なんとか先に点を取りたかったので良かったです。いい感じで打てました」と振り返った打球は、左中間中段へ吸い込まれるキング独走の17号先制ソロ。これで打点もトップの43と「2冠」となった。

 試合後、菅野は「いつもは点を取ってくれているので今日は恩返しができた。格別なものがある」とニッコリ。それにしても、どこまで〝無双モード〟が続くのか、目が離せない。