セ首位を走る原巨人の8月成績は、6勝6敗1分けの勝率5割と一時の勢いを失いつつある。サカマルの不調、ケガ人の増加、安定感を欠く先発陣と様々な要因があるが、不動の4番・岡本和真内野手(24)の不振もその1つだ。そんな岡本には「8月の不吉データ」が存在しており、気になるところだ。


 中日戦(16日、東京ドーム)で相手先発・大野雄の前にわずか2安打。1―4で屈辱の2週連続となる完投負けを喫した。反撃は2回の丸の10号ソロと7回一死での岡本の左翼線二塁打のみだった。

 一矢報いた4番だが、8月の月間打率は50打数9安打の1割8分と低迷。通算打率も2割6分8厘まで落ち込んだ。序盤の貯金で本塁打こそキング独走の16本だが、原監督は「本人も必死にやっている。周りのサポートもあるけど本人がそれを超えていかないと」と自力での復活を望んでいる。

 その岡本には気になる「データ」が。4番として5年ぶりリーグVに貢献した昨季も7月後半から下降線。8月1日から6日までの5戦で17打数3安打、打率1割7分6厘と不振に陥っていた。

 見かねた原監督が同7日の中日戦(ナゴヤドーム)から「5番・阿部(現二軍監督)」の切り札を切ったほど。後ろに強打者が控えたことで、岡本勝負の場面が増え徐々に復調。終わってみれば8月の月間打率は3割1厘と上昇カーブを描いたが、阿部二軍監督のいない今季は別の〝特効薬〟が必要になる。

 ただ不思議なのは例年の3月末開幕でもコロナ禍による変則の6月19日開幕でも同じ時期に不調となる点。夏バテについては岡本本人が「自分は夏の方がむしろ食欲もあって体重が増える」と否定している。若くして座るGの4番の重圧や、見えないプレッシャーが蓄積されている可能性もある。

 元木ヘッドは「開幕からサカマルが調子悪い時は和真が頑張ってくれた。かわいそうだよ」と一時の不調で責められる4番をかばう。嫌なデータを消去するためにも、1日も早い打棒復活が待たれる。