ヤクルト・小川 味方エラーにも〝鉄仮面〟! ノーヒッター記念球は「自分で持っていたいな」

2020年08月15日 22時30分

捕手・西田(右)にウイニングボールを渡されるヤクルト・小川

 ずっと張り詰めていた表情がその瞬間、笑顔に変わった。ヤクルトの小川泰弘投手(30)が15日のDeNA戦(横浜スタジアム)で史上82人目(通算93度目)のノーヒットノーランを達成した。セ・リーグでは2019年の大野雄大(中日)以来、球団では06年のリック・ガトームソン以来の快挙だ。

 チームは5連敗中。苦境の中で小川は「今日で絶対(連敗を)止めたいという思いはありましたし、苦しい時間が過ぎていたので何とかしたいという思いだけでした」と気合を入れて敵地・横浜スタジアムのマウンドへと向かった。

 決して楽なマウンドではなかった。初回二死で宮崎に四球を出し、この時点で完全試合は消滅。2回二死では右翼・浜田が大和の打球を落球した。そんなことがあっても小川は表情を変えず、落ち着いて投げ続けた。3回から7回は三者凡退を安定した投球を見せた。

 ピンチも背負った。8回、先頭の倉本に四球、続く中井の打ち取った打球を二塁・広岡が落球した。帽子を取り謝る広岡に対して小川は「切り替えて」と伝えた。無死一、二塁で代打・嶺井を空振り三振、神里を右飛、柴田を遊ゴロに打ち取り、スコアボードに「0」を並べた。

 8回終了時点での球数112。それでも9回のマウンドへ上がった。先頭の宮崎を一直、宮崎を一ゴロ、代打の乙坂を空振り三振。135球を一人で投げ抜いた。捕手の西田が駆け寄り、2人で抱き合うと試合中ずっと表情を変えなかった小川がはにかんだ。

「そんな簡単にはいかないっていうのはわかってたので、集中力を持って腕を振って打者に向かっていく姿勢だけは意識していました」と小川。記念のウイニングボールは普段は「人にあげていることが多い」というが「初めてのことなので、自分で持っていたいなと思います」と話した。自身5勝目を最高の形で上げた小川がここからチームを引っ張っていく。