巨人〝サカマル解体〟成功の裏に万能助っ人あり

2020年08月13日 05時15分

原監督の「決断」はウィーラーがいてこそだった

 巨人が12日のヤクルト戦(東京ドーム)に8―1と快勝。不振だった坂本勇人内野手(31)と丸佳浩外野手(31)のコンビを「1番」と「6番」に離して起用したことが吉と出た格好で、坂本は2本塁打を含む3安打3打点、丸も3安打1打点と奮起した。〝投手・増田大〟に続き〝サカマル解体〟も成功。原辰徳監督(62)の熟練タクトは振れ幅を増すばかり。次はどんなマジックを見せてくれるか。

 8試合ぶりの2桁安打となる12安打で4本塁打8得点。会心の勝利には指揮官も「いい感じで来ましたね。早めにもっと(打順を)替えときゃ良かったんでしょうかね」と自画自賛した。

 無理もない。1番・坂本が2回に20打席ぶりの安打となる8号2ラン。6回には9号ソロと3安打3打点と爆発した。6番に座った丸も5回に26打席ぶりとなる安打を放ち3安打1打点。投げてはエース菅野が7回1失点で自己最長の開幕7連勝を飾った。

 坂本が「こういう状況で1番を任された。何とかしてくれというふうに感じた」と話せば、丸も「しっかりとフレッシュな気持ちで打席に入りました。少しでも挽回できるように気を引き締めます」。両者とも打順変更に刺激を受けていたのは間違いない。

 坂本―丸の並びを解消することは、原監督にとっても「自分の中でも、どこかに〝決断〟というものもあった。やみくもに言ったわけではない」(原監督)という重いものだった。首位とはいえ「馬なり」だったチームへの「ムチ入れ」にほかならない。

 決断できた裏にはこの日「3番・左翼」で起用したゼラス・ウィーラー内野手(33)の存在がある。原監督は「去年は(岡本)和真がいろいろ守ってくれたから、チームの弱いところがうまく潰れた。(今年は)ウィーラーがいろんなポジションを守ってくれる。他の選手たちをカバーできるのはすごく大きい」と打撃面に加え、守備のユーティリティーとして大きな信頼を寄せる。

 昨年、岡本は4番を担いながら、守備位置は左翼、三塁、一塁と固定されなかった。一塁に阿部(現二軍監督)、三塁・ビヤヌエバ、左翼・ゲレーロを起用するためだったが、その岡本が今季は三塁で固定された代わりにウィーラーが左翼、一塁、二塁まで守る。この日も助っ人は4回に村上の当たりを左翼フェンスに激突しながら好捕し、エースをもり立てた。

 本来なら外野と一塁を守れるベテラン亀井の役割だろうが、足が本調子ではなく当面は代打に専念する。「思いのほか、ウイーラーが非常に元気でね」と指揮官が目を細めるように、新助っ人という〝保険〟があったからこそ、大ナタを振るうことができたのだ。

 楽天から途中加入の助っ人大砲が守備のユーティリティープレーヤーとして貢献するとは…。サカマル同時不調と亀井のコンディション不良まで読んでのトレードだったのなら、原監督の危機管理能力はさすがというしかない。