巨人・原辰徳監督の采配を発端とした野手の投手起用を巡る議論がOBを中心に広がりを見せている。その賛否は分かれているが、ベテラン指揮官が日本球界の〝重い扉〟を開いたことは事実だろう。球界では「これを機に今後は他球団の監督も続く」との声も上がる中、その一番手として有力なのがDeNAのアレックス・ラミレス監督だ。
そもそも4年間の巨人在籍時代に原監督に薫陶を受けたラミレス監督は、熱烈な〝原信奉者〟として知られる。DeNAの監督就任時にも「采配を参考にしている指揮官はいるか」とたずねられると「原監督だね」と即答していた。
DeNA関係者は「ウチの監督からすれば、今回の件は『原さん、ありがとう!』でしょう。今までも野手の投手起用は選択肢としてありましたが、巨人や日本球界の〝空気を読んで〟実行してこなかっただけ。ただでさえ今年はブルペンが苦しいんですから、展開がハマれば今日からでもやるでしょう」と話す。
ラミレス監督はこれまでも「8番・投手」を始め、「2番・筒香」など斬新な起用で話題をさらってきた。実際、原監督の采配に関しては「僕は100%賛成」とし、同様の展開になれば「もちろん、やると思う」と言い切っている。
9日のヤクルト戦(神宮)は奇策を打つ必要もなく4―0で快勝し、首位巨人と2・5差に接近したDeNA。上り調子のラミレス監督がいつ野手をマウンドに送るか。今後はたとえ劣勢の試合でも目が離せない。