広島・大瀬良大地投手(29)が復活の快投だ。8日の阪神戦(マツダ)に先発し、7回1失点。最速147㌔の直球やカットボール、スライダーなどを駆使した投球術で阪神・西勇との投手戦を見事に制し、7月17日以来の4勝目をマークした。

 15日ぶりの登板となった右腕は2回、大山に一発を浴びたものの、その後はゼロに抑えた。7回に連打と四球で一死満塁の大ピンチを招いたが、代打・福留を注文通りの二ゴロ併殺に仕留めて会心のガッツポーズだ。

「チームに迷惑を掛け、ファンの方にも心配を掛けたので元気な姿を見せ、チームに勝ちをつけたいと思っていた。一発を打たれたが、ランナーを出しても粘り強くゼロに抑えればいいという一心で投げていた」(大瀬良)

 ふがいない投球をするわけにはいかなかった。コンディション不良のため先月日に登録を抹消された。ただ、早期復帰を目指し、その間も一軍に帯同し「時間をもらったので責任感を持って過ごしてきた」。その徹底ぶりは半端ではなく「オフでも1週間空くことはなかったんだけど…」と投げたい気持ちをグッと耐えてノースロー調整を敢行。一方で「頭の中でフォームをチェックしていた」と〝イメトレ〟を繰り返し、実戦感覚を鈍らせないように努めたという。

 初回に夏男・長野の3号ソロアーチで先制した打線はその後、無得点だったが、大瀬良が降りた直後の7回に代打・坂倉の適時打で勝ち越しに成功し、リリーフ陣も踏ん張って2―1で勝利。大黒柱の119球の熱投に応えた。