悔やまれる1球だった。巨人・畠世周投手が8日の中日戦(ナゴヤドーム)で好投しながらも一発に泣き、7回3失点で今季初黒星を喫した。

 わずかな制球ミスが命取りとなった。1点リードの7回一死から連打で一、三塁のピンチを招き、迎えた相手は〝巨人キラー〟の福田。バッテリーを組んだ炭谷の要求はインコースだったが、中日打線をネジ伏せてきた直球がほぼ真ん中に入った。結果は左中間スタンドへの痛恨の逆転3ラン。「甘いところを打たれてしまいました。ピンチの時こそ厳しく、強く投げる意識をもっと持たなければいけなかった」。後続を断ってリリーフ陣にバトンを渡すのが、せめてもの意地だった。

 ただ、モタついたのは3四死球を与えた初回と7回だけ。それ以外はほぼ完璧の内容で7つの三振を奪った。原監督も「ナイスピッチングですよ」と評価は上々だ。

 畠は右肩の故障で開幕に出遅れ、今季初登板が7月31日までズレ込んだ。この日の打線の援護は岡本の15号ソロによる1点。つかめそうで、つかめない今季初勝利…。指揮官は「もう一つ、『勝ち運』というものを次からは背負ってくるでしょう」と期待した。次回登板で三度目の正直となるか――。