舶来の大砲がなかなか火を噴いてくれない。オリックスは6日のロッテ戦(京セラドーム)に3―1で逃げ切り、開幕から続いていたロッテ戦の連敗を7で止めた。山崎福の好投と3番に座った伏見のバットで勝利を呼び込んだが、気になるのは4番のアダム・ジョーンズ外野手(35)だ。

 この日も1打数無安打3四球に終わり、ここまで打率2割5分2厘、5本塁打。“メジャー282発男”にしては物足りない数字で、5本塁打のうち勝ち試合に打ったのは7月16日のソフトバンク戦での1本だけ。チャンスでの凡退でため息を誘うケースも多く、最下位低迷の原因の一つにもなっている。

 チーム関係者は「スプリット系のボールへの対応を気にしているところはあるが、あれだけの実績のある選手。チームの勝利を第一に考えているし、必ず打ってくれる。心配してませんよ」と信じて疑わない。その一方で、あるOBはこう忠告する。

「ジョーンズのスイングには怖さがない。それこそローズ(近鉄、巨人、オリックス)やカブレラ(西武、オリックス、ソフトバンク)なんかは三振の迫力もすごくて風圧が届くくらいの空振りだった。あれが当たっていたらヤバイ、という気持ちにさせた。今のジョーンズは同じ三振でも当てにいって力のないスイングが多いし、それでは怖さが伝わらない。四球も勝負を避けてのものではなく、ボール球を振らそうとして四球になっている」

 チーム打撃も結構だが期待されているのは豪快な打撃だ。ジョーンズが“扇風機男”になれるか注目だ。