ソフトバンク・板東湧梧投手(24)が6日の楽天戦(楽天生命パーク)でプロ初勝利を挙げた。1―1の3回から2番手でマウンドに上がり、3イニングを1安打無失点。味方打線が4回に2点を勝ち越すと、右腕の後を受けた中継ぎ陣が無失点リレーでつなぎ初白星がついた。

 お立ち台では端正なマスクを崩したが、マウンド上では常に意識していることがある。ポーカーフェースだ。「マウンドに上がったら、やるかやられるか。そこで弱さや焦りは見せられない。いつからですかね、小さい時からずっと意識しています」。整った顔が一段とキリっと引き締まるのは、少年時代から変わらない。

 この日も「状態は良くなかった」という。それでも不安を微塵も感じさせないひょうひょうとした立ち居振る舞いで、楽天打線をいなした。板東が尊敬し、かつて鷹のエースとして君臨した摂津正氏もポーカーフェースとして有名だった。社会人野球のJRグループ出身で背番号50まで同じ。くしくも憧れの投手と同じ「強み」を持つ24歳。マウンドを下りた後の爽やかな笑顔が女性ファンを中心に人気を集めるが、鋭い眼光でマウンドに立つ板東のポーカーフェースぶりにも注目だ。