阪神・藤浪晋太郎投手が5日の巨人戦(甲子園)に登板し8回4安打4失点で、676日ぶりの白星はまたも手に入らなかった。

 前回のヤクルト戦、前々回の広島戦と同じく、またも中盤で粘り切れず打ち込まれた。だが、着実に成長の跡も見られる113球だった。5回までの被安打は3回に若林に許した適時打の1本のみという快投。だが、1点ビハインドの6回、自身の失策などもあり二死一、三塁のピンチを背負うと岡本、大城に連続適時打を浴び致命的な4点目を献上した。背番号19はマウンド上で小さくため息をついたが、その後は後続をきちんと打ち取り、最終的に8回までマウンドを守りきった。

 最速157キロを記録した直球は最後まで150キロオーバーのアベレージをマーク。坂本、岡本ら右の強打者を相手にしても果敢にインコースを攻め、課題とされてきた抜け球もほとんど見られなかった。

 四球もわずかに1。「ゲームをしっかりつくることに集中して、勝負所でしっかり抑えられるようにしたい」という戦前の抱負は完全にはかなわなかったが、自身の進歩と真価はしっかりと証明した。8回を投げ切った背番号19へ送られた、甲子園の観客からの大きな拍手が、それを何よりも証明していた。