巨人のエース・菅野智之投手(30)が4日の阪神戦(甲子園)に先発。7回に打球を右すねに受けるアクシデントがありながらも続投を志願し、7回2失点。開幕から無傷の6連勝を決めた。

 投手の本能だった。1点のリードで迎えた7回、先頭の梅野のセンター前に抜けるかの当たりに菅野はとっさに軸足の右足を伸ばした。ワンバウンドの打球がすねに直撃。ポトリと落ちたボールを一塁に投げると、うずくまった。両腕を抱えられてベンチに引き揚げる姿に巨人ベンチも騒然…。しかし数分後、涼しい表情でマウンドに向かったのは背番号18だった。

 まさに意地の続投。球速低下、フォームのバランスなど懸念されたがなんのその。結局、後続をピシャリと抑えて引き揚げた。

「無駄な四球、無駄な進塁を防いで丁寧に投球していきたいです」と慎重を期した今回のマウンド。ここまで甲子園では通算17試合に登板、9勝2敗、防御率1・65。相性抜群の投球を見せた。3点リードの6回には一死二塁で、3番・サンズに外角スライダーを左翼スタンドへ。続く大山にも中前打を浴びたが、ボーアを一併殺打にしとめた。ここまで82球。完投も可能な内容だけに、アクシデントは悔やまれた。

 打線も援護した。初回には坂本が先制の7号ソロ。「打者を評価していただける記録の一つだと思うので、これからももっと伸ばせるように頑張ります」と語った一打は、プロ野球60人目の3000塁打となる一発だった。さらに3回には3年目の北村がバックスクリーンへプロ初アーチ。5回にも丸の左前打で3点目を奪うなど試合の主導権を握っていった。菅野の降板後は相手のミスも重なって一挙4点。菅野の熱投が呼び込んだような得点劇となった。

 開幕投手からの6連勝は沢村栄治、スタルヒン、江川卓、斎藤雅樹、そして14年の菅野が記録しているが、2度目の6連勝は球団史上初。「無双モード」は続く。