ラミレス監督が原監督の采配参考にした?「山崎降格」

2020年08月05日 16時00分

山崎康晃

【赤ペン! 赤坂英一】DeNAのクローザー山崎康晃投手(27)の“中継ぎ降格”が波紋を広げている。

 山崎は先月26日の広島戦で会沢に逆転満塁本塁打を浴び、今季3敗目で防御率も8・74に悪化。それまで我慢していたラミレス監督も配置転換を決断し、3日後の巨人戦からセットアッパーで起用し始めた。しかも、同月30日には7回二死一、二塁で山崎を降ろし、エスコバーに交代。抑えに戻すどころか、現状では中継ぎでも信頼できないと言わんばかりの使い方である。

 山崎は通算169Sをマークし、侍ジャパンでもクローザーを務め、“小さな大魔神”と呼ばれる絶対の守護神。ラミレス監督も開幕直後までは「使い方がリードしたゲームの9回と決まっているのは山崎ひとりだよ」と明言していた。

 それほど信頼していた山崎を配置転換するには、ラミレス監督自身も十分熟慮を重ねたはず。セットアッパーに回す前には、自ら山崎と話し合いを持ち、説得に努めたと聞いた。佐野を4番に抜てきするときも、自ら電話して誘った食事の席で伝えたという指揮官。そういうケアはしっかりやっているはずだ。

 そこで思い出されるのが、ラミレス監督が数年前、就任間もないころにもらしたセリフ。「采配を参考にしている他球団の監督はいるか」と聞かれて、こう答えたのだ。「巨人の原監督だね。原さんの下でプレーした4年間(2008~11年)はとても勉強になった」

 ラミレスが巨人の4番を務めた08年、原監督も大胆な“守護神外し”をやったことがある。中日とのCS第2ステージ第1戦で、クルーンが中村紀に勝ち越し犠飛を打たれて競り負け。すると、第3戦ではクルーンが先頭の中村紀に死球をぶつけた途端、原監督はスパッと山口鉄に代えたのである。

 山口鉄は谷繁の2点タイムリーで同点に追いつかれたが、原監督は山口鉄を引っ張り、東野をつぎ込んで引き分けに持ち込んだ。こう書くと継投失敗と思われそうだが、巨人は翌日の第4戦に勝ってアドバンテージの1勝を含む3勝1敗1分けとし、日本シリーズ進出を確定させている。

 結果的には、第3戦の引き分けが大きかった。クルーン本人は怒り心頭だったそうだが、原監督は「今度同じ状況になったらお前に託すから」と説得した。このケースがラミレス監督のお手本になったかどうかは定かではないが…。

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」「プロ野球第二の人生」(講談社)などノンフィクション作品電子書籍版が好評発売中。「失われた甲子園 記憶をなくしたエースと1989年の球児たち」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。ほかに「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。日本文藝家協会会員。