巨人の〝ぬるま湯体質〟は変わるか 原新方針で「出される人は出される」

2020年08月04日 06時15分

巨人に甘えは無用。原監督はナインの一挙手一投足に目を光らせている

 球団方針の大転換は波及効果をもたらすか。3期目で通算14年目の原辰徳監督(62)率いる巨人が次々と新機軸を打ち出している。いわゆる「飼い殺し」をやめ、活躍の場を他球団に求める選手ファーストのスタンスを示す一方で、不要な選手を見切る精度を上げるシビアな役割も導入。こうした新方針に、チーム内の一部ではびこる〝ぬるま湯体質〟からの脱却も期待されている。

 原巨人の動きがとにかく目まぐるしい。開幕直後から楽天との間で早くも2件の交換トレードが成立。ウィーラーと高梨を獲得し、4年目左腕の池田といずれは先発ローテ候補と期待された高田を手放した。そして1日にはシーズン途中では異例の配置転換も断行。三軍監督に二岡智宏前三軍総合コーチを据え、井上真二前三軍監督をファームディレクターとした。

 双方の背景には、過去の慣例に終止符を打つ意思も見え隠れする。積極トレードに関して、球団幹部によると以前はこんな風潮もあったという。「(放出した選手に)活躍されたらどうするんだと(フロントの)責任問題になった。じゃあ『飼い殺し』にしちゃおうかと」。背広組の保身のため、選手に活躍の場を与えず野球人生を終わらせていいものか…。原監督と球団側の「そういうのは良くない。生かす道があれば」との総意が大きくかじを切る転機となった。

 また、配置転換では二岡新三軍監督の育成手腕だけでなく、井上氏の〝目利き力〟が重要視された。一~三軍での指導歴やスカウト経験のある同氏が、当該選手に伸びシロなどがあるかどうかを見極める。プロの目を通じ、本当に戦力外や放出してもいい選手なのかを最終的に判断する。つまり切るべき選手を間違わずに〝正しく切る〟という球団側の意思の表れだ。

 こうした大転換に「外に出される人は出される。巨人の選手だという自覚が足りない選手には、いい引き締めになるのでは? 成績以外の部分も問われるはず」(球界関係者)との声も上がっている。過去にはグラウンド外で刑事事件に発展したものや飲酒が絡んだトラブルも相次いだ。中には解雇の厳罰が下ったケースもあるが、そうでないものがほとんどだった。

 当時からチーム内では「球団が過保護すぎる。選手は個人事業主。トラブルを起こしたら、すぐクビになるぐらいの危機感を持たせないと。いつまでたっても、そういう連中に足を引っ張られる」との指摘は根強くあった。選手として19年間、チームを内部から見てきた阿部二軍監督も、かつて「(引退後も球団が)面倒をみてくれるだろうと思っているヤツが多すぎる」とぶった斬ったほどだった。

 しかし、一連の新方針の下ではフロントの体面などだけで巨人に在籍し続けることは不可能。となれば、真摯に本業に打ち込んで結果を残すしかない。〝ぬるま湯体質〟が一掃され、さらに強固なチームづくりにつながるのか注目される。