今季から加入した楽天の助っ人ステフェン・ロメロ外野手(31)が開幕から絶好調だ。2日のロッテ戦(ZOZOマリン)ではオリックス時代の昨年8月15日の西武戦以来となる1試合2発で4打点の荒稼ぎ。ここまで35試合に出場し、打率はリーグ2位の3割3分6厘で、11本塁打、26打点。4年連続の2桁本塁打に「誇りに思います。これからもっとやりたいし、結果的に何年もできるように頑張ります」と殊勝にコメントした。

 ロメロは2017年にオリックス入団。来日1年目から26本塁打を放つなど、主砲として活躍した。だが、3年目の昨季は打率こそ3割5厘だったものの、度重なる故障もあり出場81試合で本塁打は18本止まり。2億7500万円の高年俸がネックとなって“お払い箱”に。そこですかさず楽天が今春キャンプ直前の1月、年俸6500万円の破格値で獲得した(金額はいずれも推定)。

 今年10月で32歳になる助っ人は毎年のようにヒザや脇腹、首などの故障に悩まされ、シーズンを通して活躍することが難しかった。オリックスも年俸に見合わない故障癖を嫌い再契約をしなかったとみられる。にもかかわらず、なぜ新天地で輝きを取り戻しているのか。

 楽天関係者は「ロメロの特性を理解しながら首脳陣が起用しているからでしょう」と好調理由をこう続ける。「獲得する段階から石井GMをはじめ、首脳陣はロメロの故障癖を理解している。だからこそ、もう一人の助っ人ブラッシュと併用しながら外野の守備機会を減らしたり、あえて先発を外して代打起用で休ませるなどケガなくシーズンを乗り越えられる工夫を凝らしている。これが大きい」

 象徴的だったのが7月28日のロッテ戦だ。チームは故障でもないロメロをあえて先発から外し、4回一死満塁の好機に代打で起用。満塁弾を放った直後も守備には就かせなかった。

「ロメロもこうした首脳陣の配慮ある起用法を意気に感じているはず。選手層の違いがあるとはいえ、彼の活躍は首脳陣の使い方の差も出ている」(前出関係者)。やはり助っ人の活躍にはチームの支えが必須ということか。