〝清原に3度ぶつけた男〟虎OB藪氏が藤浪の完全復活を堂々予告!

2020年07月31日 06時15分

内容的に最高の投球を見せた藤浪

 今回の好投は本物なのか。阪神・藤浪晋太郎投手(26)は30日のヤクルト戦に登板し7回4失点。自身670日ぶりとなる白星はまたも手に入らず2敗目を喫した。長いトンネルから抜け出すべく、ここまで必死でもがき続けてきた背番号19の〝現在地点〟はどこにあるのか――。阪神で長らくエースとして君臨し、「強気の投球」で名をはせた同球団OBの藪恵壹氏(51)は悩める右腕の完全復活を高らかに予告した。 

 前夜29日から17イニング連続無得点と味方打線が冷え込んだこともあるが、結果だけみれば7回4失点で敗戦投手。だが、7回の3失点は失策絡みで内容的には間違いなく、ここ1年で最高の投球だった。

 打者30人と対峙し、10奪三振。与えた四球はわずかに1と積年の課題だった制球は大きく安定した。その結果、球数も少なく、6回までは1失点に抑える好投。7回に失った3点は3つの失策が絡んだもので、右腕の自責点にはなっていない。最速154キロの直球に加え、この日はカットボール、スプリットなどの変化球も冴えを見せた。

「前回登板の反省も踏まえて(女房役の)梅野さんと有効に変化球を使うべく相談していた。結果として負けていますが、悪くはなかったと思います。ただ7回のあの場面では粘りたかった」と試合後、反省の弁も忘れなかった藤浪だが、その表情は手応えに満ちていた。

 矢野監督も「特に3回以降は素晴らしい内容だった。中身のある勝てるピッチング。自信にしてもらえれば。次回は勝たせてやりたい」と右腕を称賛した。

 野球評論家で、現在は独自の野球理論でユーチューバーとしても活躍する阪神OB・藪氏もそんな藤浪を高く評価する一人だ。「この日は本当に注文のつけようがないピッチング。打線の援護もなかったし、守備面でも足を引っ張られた。かわいそうだったね」と手放しでほめちぎった。

 藪氏がこの日注目したのは、藤浪のマウンドさばきや、技術面での工夫だ。「左打者に対して投じる、バックドアのカットボールがとても有効だったよね。あれは西(勇輝)もよく使っている球。右打者に対しては、プレートの一塁側に立って投げていた。そうすると角度的に右打者のインコースが広く見えてくるため投げやすくなる。やろうとしたことは、よく伝わってきた」

 長らく、右打者への死球癖が指摘されてきた藤浪。事実、この日も高津監督はスタメンに左打者8人を揃えて戦いに臨んでいた。だが藪氏は藤浪の〝右打者対策〟についても「もう何も心配はない。このまま何も変えることはない」と力強く太鼓判を押す。

「(右打者への死球癖について)精神的なことを指摘したがる人間は多いけど、長く野球を続けていれば『失敗することの恐ろしさ』は誰もが身に染みて知るもの。そういう意味では自分も藤浪も変わらない。それを克服するためには、技術を身につけるしかない」

 藪氏といえば現役時代、ライバル球団巨人の主砲・清原和博氏に対し、執拗な内角攻めを貫き、通算50打席8安打0本塁打と抑え込んだ虎の元エース。死球を受けた清原氏から「これで3つ目(の死球)やぞ!」と3本の指を立てられ威嚇されても「あれは『(年俸)3億もらってるよ』って意味だと思いました」と笑い飛ばした逸話はあまりにも有名だ。世間的には「強気の男」として知られている男にも〝弱気の虫〟は確かに存在した。「制球難を克服するためには技術面の向上しかない」という主張は藪氏が口にするからこそ、説得力がある。

 藤浪の次戦登板は8月6日の巨人戦(甲子園)が濃厚。岡本、坂本ら球界を代表する右打者たちを相手に、どのような快投を披露してくれるか今から楽しみだ。