広島・鈴木誠〝目先の一撃より20年後〟を見据える驚きの思考

2020年07月30日 06時15分

チームを最下位から脱出させた鈴木誠の千金弾

 球界を代表するスラッガーは考えていることも桁違いだ。29日の中日戦(マツダ)で決勝の9号2ランを放った広島・鈴木誠也外野手(25)のことである。7試合ぶりの一発とあって、チームを最下位から浮上させる一撃にも「試合に出ている以上は『調子が悪いから打てません』ではいけない。良くない中で何とか(一本を)出せるか出せないかで成績も順位も変わってくる」と主軸としての責任感をにじませた。

 不動の4番打者として常にチームの勝利を最優先に考えているが、自身の野球に対する取り組みはすでに〝40オーバー〟を見据えている。「いいときばかりを描いてやっていたら40歳を越えたときに対応できない。体が動かなくなったときのことも考えて、今からいろんな技術や知識を持っておかないと。衰えてからやっても遅い」との考えから、練習では20年後の自分のために様々な打法に挑戦して試行錯誤し、引き出しを増やすことに努めることもあるという。

 そんな驚きの思考は、一日でも長く第一線で野球をやるため。「伸び盛りの時期にイケイケドンドンでやってしまうと後々『何でこれができないんだ!』『今まではできていたのに…』となってしまってプライドも捨て切れず、変わらないといけないときに変われなくなってしまう」。歳を重ね、いつか来るかもしれない〝モデルチェンジ〟すら想定している。

 最下位から脱出したといっても眼下の中日とは1・5ゲーム差。一昨年までリーグ3連覇したチームはもがき苦しんでいる。「優勝したときは1試合を全力で取りにいって、負けていても関係なく相手と勝負していた。今、カープは(相手に)ラッキーと思われているかもしれない。みんなが一つのところに向かっていかないといけないじゃないかと思う」。鈴木誠は自らの進化と同時にチームを勝たせる存在になるつもりだ。