【高橋雅裕 連載コラム】BC群馬にプロのメンタル叩き込み〝常勝軍団〟に

2020年07月30日 11時00分

BCリーグ・群馬ではプロの厳しさを選手に教え込んだ

【高橋雅裕「道なき道の歩き方」(14)】僕は2016年からBCリーグ・群馬の野手コーチを務めることになりました。今までロッテ、楽天、横浜でコーチ経験はあったけど、独立リーグは初めて。プロを目指す選手を鍛えるということで「厳しさ」を打ち出しました。ただの社会貢献でなく、プロに行くことを前提とする以上は厳しくしないといけない。甘いことは言わず、ダメなものはダメと言いましたね。

「お前ら、プロ目指してるんだろ。プロも練習してるんだから必死にならないと一生追いつけないぞ」と…。それが「その厳しさについていけません」てなるんですよねえ(笑い)。ほとんどがプロに行きたいと思っているのに考え方が甘いというか、怒ったら「試合中に怒らないでください」って(笑い)。いやいや、鉄は熱いうちに打てだし、気づいた時に言わないとダメでしょう。

 できていることはホメず、やれないことを言ってあげるようにしていました。教えてないことをやってミスしたとか、1つでいいと言ってるのに2つやろうとしてミスしたら意味がない。真っすぐを打ちにいけと言っているのに変化球を打ちにいって凡退していても意味がないでしょ。何の根拠もなく言っているわけではないですからね。何のために指示出しているのかわからなくなる。

 できないのは仕方ないけど、やろうとしようよって(笑い)。4年もたったら「やれ言うたらやれ!」ってなるでしょ。人数が少ないから使うけど、プロに行ってやれと言われてやらんかったら終わりやぞって。それで嫌気が差した部分はありますよ。やはり…言われてもできない選手は多いですよ。だからあそこにいる。僕らはプロを経験しているから厳しく聞こえるかもしれないけど、別に殴る蹴るしているわけじゃないし、普通のことを言っているだけ。気持ちのケアもしてましたよ。平野謙監督と話しながら「2人で怒るのはやめましょう。どっちかが怒った時はどっちかがカバーしましょう」とね。

 そんななか、チームは16年のシーズンでリーグ総合優勝、四国ILとのグランドチャンピオンシップも勝った。僕は4年やって、前期後期8回あるうちの7回優勝しましたからね。こっちは何か間違っていたか?ってなりますよ。僕はプロ入りしてから優勝とは無縁だったんでめちゃめちゃうれしいですよ。最初は泣きそうになりました。平野さんは常勝軍団の西武にいた人だけど、僕はずっと勝てなかったチームにいた。この泣きそうな気持ちがわかりますかって…。そしたら平野さん、「ああ、そうか。マサは優勝初めてか…」。クソーって(笑い)。

 口を酸っぱくして選手に厳しく言ってきたから余計にうれしい。最初からのメンバーもあとになって「きつかったけど、今になって生きてます」って言ってくれる。必死にやってきたかいがありましたねえ。

 ☆たかはし・まさひろ 1964年7月10日、愛知県豊明市出身。名古屋電気(愛工大名電)で1981年夏の甲子園大会に出場。82年のドラフト会議で横浜大洋に4位指名され、入団。内野手として88年に全試合に出場。88年から89年にかけて遊撃手の連続無失策(390連続守備機会)を記録した。96年オフにロッテに移籍し、99年に引退。2000年からロッテ、楽天、横浜で守備、走塁コーチを歴任した。11年には韓国・起亜、16年から4年間はBCリーグ・群馬でも指導した。現在は解説者や少年野球の指導にも当たっている。